Xに“インプ稼ぎ”のデマ投稿が大量発生 嘘を嘘と見抜くためには

 最大震度7を観測した能登半島地震に関するデマ情報がX(旧Twitter)に相次いで投稿され、物議を醸している。これまでも震災時には数多くのデマが投稿されていたが、今回はその比ではないという。果たして、その原因と対策とは?

「地震発生直後からXには《家が崩れて身動きが取れない》《家族が生き埋めになっている助けて》といった投稿が相次ぎ、瞬く間に拡散しました。しかし、こうした投稿の多くが真偽不明で、中には別のユーザーの投稿をコピペしたものや、書かれている住所が実際には存在していないもの、東日本大震災の津波動画を貼り付けて避難を促すものなど明らかなデマ情報も数多く紛れていたのです」(社会部記者)

 こうしたデマが増えた背景には、Xのクリエイター広告収益分配プログラムの存在があるという。同プログラムは昨年8月に日本に導入され、インプレッション数(投稿の表示回数)が収益化の条件となるため、とにかく多くの人の目に触れようと、注目度の高い震災に関するデマ情報が急増したと考えられるのだ。

「デマの急増を受けて、日本自動車工業会公式アカウントは『アカウント開設年月・過去投稿・実在の住所か・そこに居住/来訪していそうか』などを確認するよう注意喚起しています。2016年に発生した熊本地震の際には、動物園のライオンが逃げ出したとデマ情報を投稿して逮捕者が出ました。震災に関するデマは警察や消防、救急の業務を妨害することとなり、インプレッション欲しさに逮捕される可能性もあることを投稿者は重々認識した方がいいですね」(フリージャーナリスト)

 X社にはデマ情報を流したアカウントの収益化を凍結してもらいたいものだが…。

(小林洋三)

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