観客動員数がコロナ前の19年シーズンの水準に戻ってきたプロ野球とJリーグ。日本野球機構によると、9月27日時点での今シーズンの1試合当たりの平均観客数は歴代4位となる2万9183人。一方、サッカーJ1リーグは同じ27日時点で1万8486人。これは歴代11位になるがこれはホームスタジアムの収容人数が少ないクラブがあることも影響しており、そもそも昨シーズンより4000人以上も増えている。
そして、実際に試合観戦に訪れた人は気づいていると思うが、今シーズンは会場で外国人の姿をやたらと見かける。外国人観客に関する統計こそないが、日本観光の目玉のひとつとしてプロ野球やJリーグの観戦を目的に入れる外国人旅行者が急増しているというのだ。
実際、9月上旬に米国ミシガン州から来日したITエンジニアのジョージさんが楽しみにしていたのは阪神戦の観戦。ユーチューブで観戦記をアップしていた動画を見て、日本に行ったら絶対甲子園に行こうと決めていたそうだ。
「地元にもデトロイト・タイガースというメジャー球団があるから親近感が湧いたんだ。超満員のスタンドでトランペットが鳴り響き、風船をファン全員で飛ばしたり、とってもエキサイティングだったよ！」（ジョージさん）
また、夏休みを利用して友人と旅行に来た英国人教師のフレディさんは埼玉スタジアムで行われた浦和レッズの試合を観戦。超満員のスタジアムの迫力に圧倒されたと振り返る。
「スタンドは赤一色で、（リヴァプールのホームの）アンフィールドに負けないぐらい最高の雰囲気だったよ。しかも、ホットドックとフィッシュアンドチップスくらいしか売ってないプレミアリーグのスタジアムと違って美味しい物がたくさん売ってたからつい食べ過ぎちゃったよ（笑）」（フレディさん）
しかし、なぜ日本のプロ野球とJリーグが、外国人観光客にそこまで人気なのだろうか？
「野球は今年のWBCで世界一になり、サッカーも昨年のW杯でドイツとスペインを破ってベスト16に入ったことが大きいようです。さらに欧米とは異なるスタジアムの様子、グルメが充実していることをネットで知って興味を持ったのでしょう」（旅行誌編集者）
観客動員数を増やしたければ、球団やクラブは外国人観光客の誘致にも力を入れたほうがよさそうだ。
