米大手ハンバーガーチェーン「バーガーキング」の看板メニューである「ワッパー」が実物に比べて広告の方が大きく見えると集団訴訟を起こされている件で、バーガーキング側が求めていた訴えの取り下げをフロリダ州マイアミの連邦地裁は認めず、審理が行われることが明らかとなった。
昨年3月、4人の顧客が、バーガーキングの2017年以降のワッパーの広告は「実際の商品よりも約35%大きく表示していて、パティが倍以上あるように見せかけている」と主張。広告で騙してきたすべての人への損害賠償と広告掲載中止を要求していた。これに対してバーガーキングは「写真とまったく同じハンバーガーを提供する義務はない」と訴えを棄却するよう求めていたが、連邦地裁のロイ・アルトマン判事は「どちらが正しいのかは陪審が判断するべき」との考えを示し、棄却請求を退けて裁判は継続されることとなった。
現在、アメリカでは実物よりも広告の方が“盛りすぎ”ているとして、バーガーキングの他にも「マクドナルド」や「ウェンディーズ」「タコベル」などが次々と集団訴訟を起こされている。日本でも実物とはかけ離れた過剰な広告を目にする機会も少なくないが、法的問題はないのだろうか?
「日本の飲食チェーンでもかなり危うい広告を見かけますが、広告の隅に小さく表示された魔法の言葉『※写真はイメージです』で許されている感はありますよね。ただ、どんな注釈を入れたとしても、行き過ぎてしまえば誇大広告として景品表示法違反になり、措置命令が下される可能性はあると思います。また、最近ではUber Eatsなどデリバリー専門で出店しているゴーストレストランによる、写真詐欺も甚だしいメニューがあまりにも多いので、ぜひそちらにもメスを入れて欲しいところです」(フリージャーナリスト)
広告は綺麗に撮影する必要があるのは分かるが、あまりにも実物とかけ離れたものは勘弁願いたい。
(小林洋三)