英国の国営放送「BBC」が制作した「ジャニーズ事務所」の創業者、故・ジャニー喜多川氏の性的虐待を告発したドキュメント番組が大きな波紋を呼んでいる。
日本では3月18、19日に「J-POPの捕食者 秘められたスキャンダル」というタイトルで放送されたのだが、事務所の「御用メディア」とも言われるテレビ局やスポーツ紙は、いっさい報道していない。
一方、週刊誌や独立系ウェブメディアはこぞって今回の件を伝えた。99年にもジャニー氏の性的虐待を長期間にわたって取り上げた「週刊文春」も、ここに来て再びキャンペーン報道を展開している。
「BBCは公平中立な報道機関として世界中から認められており、彼らの伝える内容は非常に重い。今回のドキュメント番組については各国のメディアも報じており、ジャニーズ事務所の海外でのイメージはすっかり地に堕ちてしまいました」(週刊誌記者)
ジャニーズ事務所は、元副社長の滝沢秀明氏が中心となって海外進出を積極的に進めていたことで知られている。当然ながら、昨秋、米国のレーベルから世界デビューを果たした「Travis Japan」の営業戦略に大打撃を与えることは必至だ。
「性的虐待は、海外ではタブー中のタブーです。タレントが仮に被害者であっても、そういった事務所に所属する者を積極的に起用することはありません。今回の件で、ジャニーズ事務所所属のタレントはもはや国内でしか活動できなくなったと言っても過言ではないでしょう」(前出・記者)
海外では大炎上しても日本では大手メディアが完全スルー。この摩訶不思議な「業界の構造」こそ、BBCに報道してもらったらいかがか。