15年、現役プロ野球選手が「野球賭博」に手を染めていたことが発覚し、球界を震撼させた。首謀者だった巨人・笠原将生(31)は、福田聡志(39)、松本竜也(29)とともにNPBから無期失格処分を受け、その後、賭博開帳図利幇助容疑で逮捕までされたのである。
野球賭博が違法なのは言うまでもないが、その背後に反社会勢力が関与していることはもちろん、プロ野球選手が興じれば八百長も疑われる。同事件の詳細を知る、ヤクザ組織の幹部が語る。
「笠原はギャンブル中毒だったな。新宿で飲食店を経営していたXと、1箱3万円ぐらいの賭け麻雀を一晩やり続けるような仲間だった。そのXが胴元と客の間に入る中継をしてたから、野球賭博にまで手を出したんだろうよ。そればかりか、横浜で紹介されたのを皮切りに、名古屋や六本木の裏カジノにも出入りするようになったって」
身をも滅ぼす道楽に次々とチームメイトを誘ったことで、事態はより大事に発展していったのである。
「翌年の春には高木京介(33)の関与も発覚したよな。全員投手だ。しかも、みんなリリーバー。笠原が勧誘してたのはブルペンだよ。試合中にブルペンで持ちかけて、試合後にはBの店で食事。巨人の選手が来れば店の宣伝にもなるから、Bも喜んでたろうよ。笠原は1、2軍を行き来してたから、よりメンバーが増えてったわけだ。発覚してないだけで、野手も含め他にも野球賭博に手を出してた選手はもっといたって」(前出・ヤクザ組織幹部)
契約解除の席で笠原は「いろんな人の人生をむちゃくちゃにして、償っても償いきれない思いを死ぬまで引きずるだろう」と取り返しのつかない思いを吐露したという。
志半ばで球界を追われた笠原はその後、地元の福岡で飲食店を経営したり、東京・新宿でホストクラブに勤めたこともあったが、19年よりYouTuberに転身した。自身の「笠原チャンネル」に現役時代よりもふっくらとした姿で登場し、吹っ切れたように軽快なトークを展開。留置場の体験談や現役時代の給与明細の公開、プロ野球公式戦を観戦に行ってNPBから出禁を突きつけられている映像などを配信し、好調な時は100万回再生に迫る勢いだ。
YouTubeでの成功を本人の口から直接聞くことは叶わなかったが、取材を申し込むと「成功してないですよ」と自嘲気味に話したのが印象的だった。
*週刊アサヒ芸能11月10日号掲載