「みずほ銀行さん、来年も再来年も、毎年バンバン障害起こしてください」
かなり不謹慎とも思えるこの文言は昨年11月、ヤクルトスワローズがオリックスバファローズを4勝2敗で下して「日本一」になったのを受けてアップされたツイートだ。
なぜヤクルトとみずほ銀行が関係あるのかと言えば、「みずほ銀行がシステムトラブルを起こした年のヤクルトは強い」というジンクスが、一部ファンの間で信じられているからだ。だから言うまでもなくこのツイートは、ヤクルトファンがつぶやいたもの。
ジンクスはジンクスなので、もちろん両者に因果律はない。それでも過去を振り返れば、みずほ銀行がシステムトラブルを起こした02年は2位、11年と18年も2位で、そしてキャッシュディスペンサーが通帳やキャッシュカードを飲み込んだまま出てこないという、記憶に新しい大規模トラブルに見舞われた昨年は日本一で、今年もセ・リーグ優勝と、むしろジンクスの強さに磨きがかかっているほどなのだ。
「その他にもヤクルトが強い時のジンクスとしては、『2年連続最下位の次の年』『外国人が当たった時』といったものもありますが、今年はいずれも当てはまらないので、結局、みずほ銀行のジンクスが利いたということになりますね」(スポーツライター)
昨年から今年2月にかけては12カ月の間に11回のトラブルが発生し、みずほ銀行の頭取とみずほフィナンシャルグループの会長と社長の3トップが退任。メガバンクのトップとしては初の平成入行の木原正裕氏が、グループ社長に就くという昇格人事が行われた。だからヤクルトファンとしては、「これだけの事がみずほ銀行であったのだから、これでCSも日本シリーズでも勝たないわけがない」と、ますますジンクスを信じたくなるというものだ。
また本体の飲料品メーカーとしてのヤクルトも、今年は「ヤクルト1000」が爆発的にヒットした。そこでスワローズ優勝となれば期待されるのが商品のセールだが、残念ながらヤクルト1000は対象外とのこと。増産しても間に合わないくらいなので仕方がないだろう。
(猫間滋)