ザブングルの謹慎でわき起こる「ボランティアは罰ゲームじゃない」論の是非

 反社会的勢力への闇営業が発覚し、8月末までの活動謹慎処分となったお笑いコンビ「ザブングル」を巡り、ファンの間で喧々諤々の議論がわき起こっているという。

 ザブングルに対しては7月1日、所属事務所のワタナベエンターテインメントが処分を発表。謹慎期間中にはボランティア活動と同事務所の事務サポート業務を行うこととなった。すでに同事務所にはボランティア受け入れの問い合わせが20件以上入っているそうで、本人たちも「本当にありがたいです」と感謝しているという。そのボランティア活動を巡って意見が真っ向から対立しているというのだ。週刊誌記者が指摘する。

「ザブングルの処分内容が発表されると、一部からは《ボランティアを通して社会奉仕の大切さを発信してほしい》と好意的な反応もあがりましたが、そういった声はあくまで少数派。むしろ世間の多くは《ボランティアを罰ゲームにするな!》と憤っているのです。彼らが闇営業をしていなかったらボランティアにも取り組まなかったでしょうから、そういった不満が出るのも無理はありません。お笑い業界では母親の生活保護不正受給疑惑で叩かれた『次長課長』の河本準一らがボランティアに取り組んでおり、《不祥事からのボランティア》という流れが定番化。今回もその流れに乗っただけとして、ザブングルのボランティアを色眼鏡で見る向きが少なくないのです」

 では、ザブングルがボランティアに従事することを、当の受け入れ側ではどのように感じているのだろうか。被災地支援などボランティア活動の経験を持つライターが語る。

「ボランティア側としては《ありがたい》の一言です。理由なんてどうでもいいから、現場に来てくれるだけで本当に助かるというのが本音ですね。そもそも彼らを批判している人は、一度でもボランティアに足を運んだことがあるのでしょうか? 東北や熊本の地震、広島や九州の豪雨など、今でもボランティアを必要としている現場はいくらでもあります。それは介護や子育ての現場でも同じことで、現場では常に人手不足に悩まされています。できればザブングルに限らず、謹慎中の芸人さんがみんなボランティアに精を出してくれたら、日本中に助かる現場が増えるのは間違いないでしょう」

 アメリカでは交通違反や軽微な罪を犯した場合、社会奉仕活動を義務付ける判決は珍しくない。その場合には「合計200時間」といった枠を設け、受け入れ側もそういったケースを計算に入れているという。日本でもお笑い芸人がなかば義務的に参加する仕組みがあったら、大歓迎されるのは確実ではないだろうか。

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