もちろん他の番組でも旧統一教会問題は取り上げている。その中で「ミヤネ屋」が教団批判の急先鋒となっているのはなぜか。そのカギは93年から14年続いた前身番組「ザ・ワイド」の〝DNA〟に由来するという。芸能デスクが内幕を語る。
「実は、『ミヤネ屋』には教団を40年来取材するジャーナリストの有田芳生氏、同じく霊感商法やオウム真理教事件での被害者救済で活躍した紀藤正樹弁護士などが日替わりで出演しています。この顔ぶれを見て懐かしいと思う方が多いのも不思議ではない。前身番組となる『ザ・ワイド』で活躍した顔ぶれになるからです」
同じく「ザ・ワイド」に出演した芸能レポーターの石川敏男氏が述懐する。
「桜田淳子が合同結婚式に参加してから今年でちょうど30年。彼女が結婚生活を送る福井・敦賀には随分行ったけど、結局、肉声は取れなかったな。あれだけ教団を叩いたから、今でも日本人が一番カネを払っているとは思いもよらなかったよ」
石川氏はさらにこんな裏話を打ち明けるのだ。
「有田（芳生）も『ザ・ワイド』の番組スタッフが残っているのでやりやすいと言っていたよ。他の番組で有田が、教会が存続したのは〝政治の力〟があったと発言した時、スタジオは言ってはいけない問題に触れた空気だった。その点、『ミヤネ屋』の厳しい追及は『ザ・ワイド』と変わってないね」
読売テレビ関係者が勢いづく現場の様子を明かす。
「『これを取り上げるな』というタブーはナシ。宮根さんも『そろそろお終いにしよう』と音を上げることはありません。正直1カ月以上、教団ネタを続けるのは厳しい。それでも、ネタを拾ってきたら『この切り口でいこう』とGOサインが出る。今後も教団関連ネタはどんどんやれという方針です」
さらに30日の放送では日テレが追撃批判。バラエティー番組「ザ!世界仰天ニュース 2時間SP」では、「〝統一教会〟…衝撃の勧誘と資金集め」と銘打って、10代で入信した女性の悲劇をドラマ化。過酷な訪問販売や悪質な勧誘の実態を伝えた。
すると旧統一教会側は9月2日、公式サイトに新たな動画を公開。教団の「総務局副局長」の肩書きを持つ人物が、「反社会的団体」と批判を浴びている点に触れて、
「今のマスコミはかなり偏っているのではないでしょうか」
と苦言を呈した。
最後にこうした教団のメディア批判に関し、鈴木エイト氏が警告する。
「統一教会が恐れているのは、解散命令が出されて宗教法人として法人格を失うことです。そのために、メディアの過熱報道を抑え、嵐が過ぎ去るのを待っているのです。教団は質疑を受け付けずに、一方的に発表する記者会見で墓穴を掘っていますが、裏では政治家・メディアを支配することで、体制維持を企んでいる。今後も厳しく注視していく必要があるのです」
風雲急を告げるミヤネ屋vs旧統一教会の応酬から今後も目が離せない。
＊「週刊アサヒ芸能」9月15日号掲載
