ふるさと納税「換金サービス」2日で終了に「もう返礼品はやめるべき」の指摘

 ふるさと納税の返礼品の代わりに現金がもらえるサービス「キャシュふる」を運営するDEPARTUREは6月10日、金子恭之総務相から苦言を受けたことでサービスを終了すると発表した。過熱するふるさと納税の返礼品問題にネット上では「返礼品自体をやめるべき」といった声まであがっている。

「『キャシュふる』は『お金(キャッシュ)がもらえるふるさと納税サイト』を謳い、8日に開始されました。ふるさと納税の返礼品受領権をマッチングするサービスで、返礼品がいらない依頼主の納税業務を代行。返礼品が欲しい人に販売し、依頼主へは手数料を引いた売り上げの一部(納税額の20%)と寄付証明書を送付するというものでした」(社会部記者)

 しかし、10日の閣議後の記者会見で金子総務相が「寄付者が返礼品の代わりに現金を受け取ることは、制度の趣旨から大きく外れたもの」とコメントしたのを受け、運営側が「ご返金も完了したご利用状況を鑑み、2022年6月10日をもってサービス終了とさせていただきます」とサービス開始からわずか2日で終了させると発表したのである。

「これにネット上では、《もうふるさと納税は返礼をやめるべき。返礼品目当ての納税自体が制度の趣旨とはかけ離れている》《現金なんてもってのほかだけど、最近は本当に地場産品か?って思うものも少なくない》といった声も見られました。そもそもふるさと納税とは、『今は都会に住んでいても、自分を育んでくれた“ふるさと”に、自分の意思で、いくらかでも納税できる制度があっても良いのではないか』という考えから誕生した制度。しかし、今や返礼品をもらうために自分の故郷とは関係ない自治体に納税する人も多く、10日には北海道利尻町で返礼品の『利尻産エゾバフンウニ』が産地偽装をしていたことまで明らかになるなど、問題も少なくありません。確かに、一度見直す必要があるかもしれませんね」(フリージャーナリスト)

 ふるさとにきちんと恩返しができる制度であってもらいたいものだ。

(小林洋三)

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