ロッテ中村奨吾、国内FA取得でファンが気を揉む球団の方針

 千葉ロッテ・中村奨吾が国内FA権を取得した(4月18日)。中村のFAについては、昨年オフの契約更改後の会見でも「契約は単年か、複数年か?」の質問が真っ先に呼び、「もし行使したら、2022年FA市場の目玉選手になる」とも言われてきた。

「3割近い打率成績を残せ、かつキャプテンシーを持った二塁手が権利行使するとなったら、どの球団も欲しいはず。中村は内野ならどこでも守れるし」(ベテラン記者)

 当然、千葉ロッテ球団も強く慰留するはずだ。しかし、その中村の動向を巡る情報が真っ二つに分かれているのだ。

「21年から中村は主将を務めており、チームの精神的支柱です。井口資仁監督の信頼も厚く、中村も現状に不満があるとは思えません」(同)

 とはいえ、22年シーズン中の FA権取得は球団も分かっていたこと。複数年契約を結んでおけば、騒ぎにはならなかっただろう。また、その単年契約が結ばれた経緯について、こんな情報も聞かれた。

「どの球団もそうですが、主力選手がFA権を取得するシーズン前の契約更改では、球団が複数年を提示し、選手サイドが辞退するパターンが多い。実際に権利行使するかどうかはその後の話し合い次第」(球界関係者)

 中村の場合はそうではなかったようだ。中村は単年契約を結んだ契約更改後の会見でこう語っている。

「時期が来たら、いろいろ話そうと(球団から)言ってくれたので」

 つまり、FA権のことは取得後に話し合おう…ということだ。言葉通りなら異例なことで、それが残留を懐疑的に見る側の根拠になっていた。

「19年オフに、鈴木大地がFA権を行使して楽天に移籍したケースと近いものがあります。ロッテは宣言残留を認めており、鈴木の他球団の話も聞いてみたいとする意思を尊重し、楽天への移籍は結果論みたいなものでした」(同)

「選手の権利」を尊重するロッテの姿勢はさすがだが、中村が活躍すればするほど、好条件を提示してくる球団も増えていくだろう。ロッテの注目選手は佐々木朗希だけではない。

(スポーツライター・飯山満)

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