新型コロナウイルスの感染者数減少を受け繁華街にも徐々に人の姿が戻りつつあるが、飲食店では今、人手不足が深刻な事態になっているという。
「東京、大阪、神奈川などで時短営業が解除された10月25日以降、夜の繁華街を回っていますが、個人店などはなかなかアルバイトが見つからないようで、店主一人で営業しているところも少なくありません。まだ客足が完全に戻った状況ではないので何とか回せているようですが、年末年始の書き入れ時の対応に苦慮している様子。人手不足で休業せざるをえない店も出てくるかもしれません」(経営コンサルタント)
FNNプライムオンラインが報じたところによれば、飲食店の求人・転職サイト「クックビズ」では、緊急事態宣言解除の前後で比較すると、企業による人材確保の相談がおよそ1.5倍に増えているというが、企業が求める人材は2割程度しかおらず、各社で取り合いの状態になっているという。
ただ、こうした飲食店の人手不足状態にネット上では、《コロナで飲食店はパートやバイトの首を切りまくった。「時短営業解除されたから戻って来て」と言っても、そう都合よくはいかないだろう》《コロナが再拡大すれば、また速攻でクビになるのは目に見えてる。いま飲食で働きたい人は少ないよ》といった指摘が相次いでいる。
「今年4月に発表された飲食店リサーチの調査によれば、飲食店における従業員の解雇や退職の64.5%がコロナの影響によるものという結果が出ているように、多くの従業員が飲食店をクビになりました。ミシュランに掲載されている某有名店でも従業員の7割が解雇されたといい、この業界に見切りをつけた人も多かったのではないでしょうか。コロナ以前から飲食業界は慢性的な人手不足でしたから、今後はさらに人材の確保は難しくなると思います。最近では配膳ロボットを導入する飲食チェーンも増えていますし、セルフ化・自動化にシフトしていくでしょうが、個人経営の店は大変な時代になるでしょうね」(前出・経営コンサルタント)
飲食業界の苦悩は続きそうだ。