「五輪マフィア」のむさぼり実態を憤怒告発(2)78社から4000億円超が…

 利権の温床と指摘されるのが、五輪パートナーというシステムだ。

「巨大利権を持つオリンピックにはスポンサーの存在が欠かせません。IOCと長期契約するワールドワイドパートナーはコカ・コーラ、トヨタ自動車など全14社。年間100億円程度のスポンサー料を支払っている。さらに東京五輪ではゴールドパートナー、オフィシャルパートナー、オフィシャルスポンサーなど3ランクに分かれた64社が契約し、全78社から過去最大の4000億円以上の資金を集めている。基本は1業種1社契約で、そのランクにより、五輪マークを使ったオリンピック商法を展開する権利を得ているのです」(アマ担当デスク)

 反対に、五輪会場ではこれら契約スポンサー以外の商品はすべて白塗りなどで伏せられることになる。

 近年の五輪ではスポンサー企業以外の「便乗商法」を取り締まる動きが強化され、例えば、五輪会場でアルコールを提供できるのはアサヒビールのみ。選手の地元の公民館などで行うパブリックビューイングですら、このルールが適用される。

 JOC内部資料では、「アンブッシュマーケティング(便乗商法)の禁止及びスポンサー供給の保護」としてパートナー製品以外の供給を受ける場合には、事前に組織委員会で承認を受ける旨が明記されているのだ。そんな中、今回の東京五輪で注視すべき存在が、オフィシャルスポンサーに名を連ねている人材派遣会社のパソナグループである。

「組織委員会の4300人のうち、3分の1は東京都からの出向、3分の1が霞が関及び地方自治体公務員・スポンサー企業の職員、残りの3分の1はほとんどがパソナからの人員です。これは、人材派遣分野のオフィシャルスポンサーがパソナのみで、当然、足りない人材はすべて同社が派遣を請け負うことになる。もちろん、1年延期したことで追加のスポンサー料金を支払っているとは思うが、1年仕事が延びたことでスポンサー料以上の収入を得ているはず」(斉木議員)

 実際、五輪延期と派遣ビジネスの独占で、濡れ手で粟の実態が確認できるというのだ。

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