「口臭ケアより口内ケア」新生Pinkyはタブレット菓子業界の不振を一掃できるか

 1997年に発売され、「ピンキーちょうだい♪ピンキーちょうだい♪」という印象的なメロディのCMで有名となった湖池屋の人気タブレット菓子「Pinky」が10月26日より「Pinky FRESH」として再登場することが発表された。一部のコンビニやドラッグストアでの先行販売となる。

 同商品は2018年に生産を終了しており、一部のファンからは「Pinkyロス」の嘆き節が聞かれていたため、復活の一報にネット上では《ピンキーおかえりなさい!》《あのCMが脳内で再生されました!キャラクターのグッズ持ってた、懐かしいなあ》《2000年代の女子校生必携アイテムだった、復活うれしすぎる》と喜びのコメントが相次いでおり、TwitterなどのSNS上でトレンドワード1位になるほどの反響ぶりだ。

 リニューアルされた「Pinky FRESH」は、同社の取り組む「湖池屋ヘルスケア事業」の理念のもと、口内の健康維持を目指した機能的な商品に生まれ変わっている点も、復活を待望していたファンを喜ばせる一因となっている。

 同商品は「乳酸菌LS1」を生きたまま含有しており、歯周サポートの機能性表示食品として販売される。歯磨き後、噛まずにゆっくりなめると乳酸菌が口内に広がり、歯周ケアに一役買うと、健康面での効果も期待されているのだ。

 現在タブレット菓子業界は不振に直面しており、このタイミングでの「Pinky」復活は関係者を驚かせている。

「マスク着用の習慣が定着し、口臭ケア用品は軒並み販売数を落としています。また、手でタブレットをつまんで口に運ぶという行為自体、ウイルスが体内に入ることが懸念されるため、タブレット菓子やグミなどの売上が落ち込んでいるとのデータもあります。そんな時世でのピンキー復活には驚きました。この口内ケアに特化した“新ピンキー”の登場によって、タブレット菓子は口臭予防として持ち歩くものから、口内の健康維持を目的としたものに変わっていけるかもしれないですね。不振続きのタブレット菓子業界の新たな消費者層を開拓する商品になるでしょう」(フード産業誌記者)

 発売開始から23年、当時を懐かしむ消費者たちは中年世代に差し掛かり、機能性表示食品として生まれ変わった「Pinky」の登場はまさに需要ドンピシャだろう。

(浜野ふみ)

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