庶民の味方を装いながら、強い者に富を集中させ、弱い者は見捨てる冷徹主義。官僚にも脅しをかけてまで進める恐怖政治の手法は、誰に入れ知恵されたものなのか。見回すと、「ハゲタカ」や「政策商人」らの面々が周囲を固めていた。
「絶対に騙されてはいけないガースー(菅)政権」。「週刊アサヒ芸能」(2020年10月8号)では大みそか恒例の年越しお笑い番組のタイトルをもじり、菅義偉総理(71)が画策する弱者切り捨てがもたらす、おぞましい未来図について詳報した。
ところが、この「愛称」は使えると思ったのか、平井卓也デジタル改革担当相(62)が9月29日の閣議後の会見で、新設デジタル庁の組織スローガンを「ガースー」と命名。「批判」をちゃっかり逆手に取る形で、悪ノリしてみせたのだ。
だが、この愛称作戦もまた、国民をたぶらかす巧妙な術策であることを忘れてはならない。政権発足から時を経ずして、どこまでも腹黒い「ガースー黒光り総理」の本性が早くも牙をむき始めているからだ。
菅政権に批判的な自民党有力派閥の大物議員も、次のように指摘する。
「菅総理は『君主論』を著したマキャベリの信奉者。優れたリーダーである自分が考えることは常に正しく、正しい目的のためにはどんな手段も行為も許される、と確信している絶対君主論者だ。その証拠に『オレの言うことに従わないヤツは役職を外す』と官僚らに脅しをかけている。日本学術会議が推薦した新会員6名の任命を拒否した一件も、菅総理が継承を明言した前政権の政策に批判的な学者たちと認定したためで、言論の自由にもつながる学問の自由の聖域に、土足で踏み込んでしまった」
絶対君主がそうであるように、菅総理もまた、自分に従順な取り巻きを好むタイプだという。そして、現時点で少なくとも4人の取り巻き連中を「共犯者」として身辺にはべらせ、国民を食いモノにする前代未聞の独裁政治を進めようとしているのだ。この大物議員が続ける。
「共犯者の1人目は『政策商人』の竹中平蔵氏(69)、2人目は『茶坊主』の北尾吉孝氏(69)、3人目は『ハゲタカ』のデービッド・アトキンソン氏(55)、そして4人目が『お友達』の三木谷浩史氏(55)だ。菅総理自身は『このオレが取り巻きにしてやっている』と思っているらしいが、彼らは彼らで『自分の利益のために、菅総理を利用し倒す』と考えているようだ。マフィアやスパイの世界によく見られるような、こんな危うい思惑の上に、独特の共犯関係が成り立っている」
では、菅総理と4人の共犯者らによって、日本の経済や社会、そして庶民の生活は、どのように変えられてしまうのか。
まず竹中氏について言えば、小泉純一郎元総理(78)の右腕として構造改革を強引に推し進め、その後、人材派遣大手のパソナグループの会長ポストなどを次々と手に入れた人物。総務相時代には、現在の菅総理を副大臣に指名して省内人事を取りしきらせた、との浅からぬ因縁もある。
同時に竹中氏は、能力や成果を絶対とする「新自由主義」の権化としても知られている。事実、過去には「正社員をなくせばいい」「解雇規制を緩和する新たな法律の制定が急務」「貧しさをエンジョイするのは結構。だが、頑張って成功した人の足を引っ張るな」などのトンデモ発言でそのたびに物議を醸している。
(※)菅政権に群がる「政策商人」の素顔(2)に続く