今季も戦力補強を重ねた楽天だが、ソフトバンクとロッテに大きく水を開けられ、リーグVどころかCS進出すら厳しくなりつつある。
そんな状況で来季に向けて楽天の複数の幹部が主導して進行させているのが現ヤンキースの田中将大(31)の復帰プランだ。球界関係者によれば、「1年30億円の5年契約で150億円契約も辞さない構え」だという。
仙台の地元関係者が鼻息を荒くして指摘する。
「一昨年オフの浅村を筆頭に資金力で外様を次々と補強しておきながら、結果が出せない現状に地元ファンの反感が渦巻いている。その矛先とも言える象徴が、仙台ではなく東京からコントロールをしている石井一久GM(47)です。石井GMが就任して以来、グラウンド内のことには疎い立花陽三社長が居場所を失い、ヴィッセルにばかり目を向けているようです。しかし、24勝0敗という圧倒的成績で13年の日本一を成し遂げた地元の英雄の復帰を実現させれば、立花社長の復権にもつながるというわけです」
当然ながら、そのシナリオを現実化させるハードルは高いだろう。ところが立花社長には、獲得に自信を見せる根拠が資金力以外にもあるというのだ。
「立花社長とマー君の関係は渡米後も切れていないんです。この7年間、復帰をニラんで根回ししてきました。現在、ヤンキースで広報を務めるのは、メジャー入団時から付いていった元楽天広報です。立花社長はマー君の身辺事情を逐一共有しており、オフになれば毎年、マー君と会食をしてフォロー。自主トレには球場を使用させて協力体制を維持し、その自主トレには則本昂大(29)、松井裕樹(24)という楽天の主力も帯同している。一緒に被災地を回るなど、マー君は仙台との縁も大切にしています。それもそのはずで、マー君は現役時代から両親を大阪から仙台に移住させて、自身の日本の自宅も今に至るまで仙台ですからね」(球団関係者)
「楽天市場」よろしく、大枚をはたくのであれば、極上の商品を手に入れるのが道理であろう。
「田中を今後3~4年メジャーで投げてから凱旋させても、もう150キロを投げられなくなるばかりか、故障のリスクも伴う。150キロを超えて針の穴を通すコントロールを持った今戻すことこそが、楽天の悲願です。本気で狙ってますよ」(別の球団関係者)
情勢としてはメジャー残留が大方の予想を占めるものの、東北のファンはイーグルス生っ粋の血を引く田中の「杜の都凱旋」を熱望している。
今オフに楽天Uターンが現実のものとなれば、来年の東京五輪で、田中が侍ジャパンのエースとしてマウンドに立っていることも。いずれにせよ、海を越えた争奪戦から目が離せそうもない。
※写真は牧田和久投手の入団記者会見より