コロナ禍を受けてしばらくは興行開催の自粛が続いていた日本のボクシング界。今後は本格的な“客入れ”再開に向け、プロとアマチュアが手を取り合って、感染拡大防止に務めていく方針だという。
そんななか、8月6日発売の「週刊文春」誌上で、存在感を示したのが、日本ボクシング連盟前会長の山根明氏だった。
同誌は「ボクシング山根会長『TV出演で700万円稼いだけど…』」という見出しのもと、気になる近況をレポート。“あの騒動”の際に迷惑をかけたという喫茶店に顔を出しては、日本全国から訪ねてくるファンにしっかりと対応しているという。記事によれば、50本近い番組に出演して約700万円を稼ぎ出したものの、知人にごちそうするなどしてすべて使い果たしてしまったそうだ。
「アマチュアボクシング界のドン」と呼ばれた山根明氏が助成金の不正流用疑惑などで日本ボクシング連盟を追われたのは2018年のこと。当初は、そのコワモテのキャラクターから「ドン山根」の異名で、取材陣から恐れられる一幕もあったが、その後はコロナ禍が始まるまで、関西圏のバラエティー番組に引っ張りだこだったという。
「退任騒動の渦中にもテレビ出演はしていましたが、だんだんとバラエティー色の強い番組へ進出していきました。2019年の年末には、アメリカロケで『幽霊が出る』と噂のホテルでリポートを行い、その特異なリアクションでスタジオは爆笑の渦。その後もご自宅がある大阪のテレビ局を主戦場に、お茶の間に笑いを提供していますよ」(エンタメ誌ライター)
そんな山根氏の“体当たり芸”の真骨頂と言えるのが、4月5日に放送された「山里亮太のまさかのバーサーカー」(朝日放送)だ。在阪のテレビ局関係者がその壮絶すぎる内容を振り返る。
「番組では、『ロッキー』のような映画を“主演・山根明”で撮影するという内容で、大阪の各所でロケを敢行。『あんまり体力に自信がないねん』とつぶやく山根さんにジョギングをさせたり、サンドバッグ打ちをさせたり。最後は、筋肉隆々の黒人ボクサーとスパーリングをする流れになったのです。これにはさすがに山根さんも『ワシを何歳やと思ってんねや?』『保険入ってるんやろうな?』と戦々恐々。それでも結局はリング上で試合をする運びとなり、黒人ボクサーと殴り合う展開に……。ボディーにもかなりパンチをもらい、リング下で見つめる山根さんの奥さんも、エイドリアンさながらに心配そうな表情をしていました。このハードなロケを乗り切った山根さんは弱音を吐くどころか、『40年ぶりくらいに試合したくなったわ』と強気な発言で周囲を笑わせていました」
ここまで命を張って、番組50本で700万円とは安い気もするが…。御年80歳、今後も「男・山根」が、コロナと戦う勇気を与えてくれそうだ。
(近田ラリー)