フリージャーナリストとしてメディアで大活躍中の池上彰氏(69)が6月23日、YouTubeチャンネルを開設した。チャンネル名を「池上彰と増田ユリヤのYouTube学園」と題し、教育系YouTuberとして、同じくジャーナリストの増田ユリヤ氏(56)とともにチャンネルを設立、ほぼ毎日更新中である。しかし、知名度の高さとは裏腹に登録者数は現在1500人ほどで、記念すべき一本目の動画こそ3000回以上視聴されているものの、ほとんどの動画の再生回数が500回程度に留まっていることから、心配する声があがっている。
以前より池上氏のYouTuberデビューに寄せられる期待の声が大きかっただけに、《サムネ(動画の表紙)をもう少し工夫したほうがいいかもしれないな…》《知識も話術も兼ね備えていて最高の人材なのにYouTubeでは埋もれてしまうのか…》と、“YouTuber池上彰”を気遣う意見が多く見受けられた。
一部では「ネットで調べる層はわざわざ見ないのでは」と、ネットユーザーと池上氏の視聴者層が噛み合っていないとの指摘もある。
「池上さんと言えば社会問題などを広く扱い、誰にでもわかるように噛み砕いて説明できるのが魅力。それが幅広い視聴者にウケてテレビでもひっぱりだこなわけですが、インターネットで時事ネタなどを調べる人たちは池上さんの解説ではなく、その道の専門家の、よりディープな解説を求めているのではないでしょうか。池上さんもYouTubeでは、テレビより詳しい解説を行なっているのですが、世間では“簡単にわかりやすく説明してくれるジャーナリスト”というイメージがついてしまっているのでしょう。また、池上さんのファンなら必ずチャンネル登録するはずなので、宣伝不足を指摘する声も聞かれます」(ネットライター)
加えて、石橋貴明ら大物芸能人のYouTube界参入が話題となっている昨今、YouTuberの母数が増えているのはもちろんだが、池上氏も掲げている“教育系YouTuber”の席はもう埋まってしまっているのでは? という意見もある。
「教育系YouTuberの走りでありトップともいえるのがオリエンタルラジオの中田が更新している『中田敦彦のYouTube大学』です。現在の登録者数は約260万人おり、人気動画は500万再生を超えるなど、記録的な視聴数をあげています。また、心理学やビジネスなどの解説動画では、テレビ界でも一時大ブレイクしたメンタリストも大人気。彼らは独自の話術で社会問題などに斬りこんで、更新されるたびに大きな話題となります。とにかく強大なライバルたちがひしめく教育系YouTubeの世界では、池上さんほどのビッグネームでも、登録者数を伸ばすのは簡単なことではないのかもしれません」(前出・ネットライター)
そんな、事情もあるのか世間はYouTuber池上彰氏に意外なことを望んでいるようだ。ネット上には《池上彰さんの「歌ってみた」とかを見てみたい》《オリラジ中田との動画共演に期待!》《ニュース解説もいいけど「らーめん食べてみた」的な動画も出したら絶対人気が出る》と、地上波番組では見られない動画を望む声が寄せられている。
YouTuberとしてはまだスタート地点に立ったばかり。YouTubeだからこそできる企画で、これからの躍進に期待したい。
(浜野ふみ)