二刀流の抜けた穴は「もう一人の二刀流」で——。エンゼルスのビリ・エプラーGMが「投手・大谷翔平」の復帰プランを明かした。
地元紙「オレンジカウンティ・レジスター」によれば、投手復帰が5月にスライドされた話の続きとして、「打者・大谷」はメジャー、投手としては当面はマイナーで調整してからになると報じている。
同紙は今季からベンチ入り人数が25人から1人増えることを指して、「大谷が投手調整で抜けても大丈夫」と伝えていたが、それだけではないようだ。
「マイナー戦で投げれば、翌日、メジャーの試合に合流することはできないかもしれません。マイナー戦は地方への遠征も多く、肉体的負担も増え、打者としてのメジャー出場数にも影響してしまいます」(特派記者)
そうなると、ベンチ入りメンバーが1人増えても、マイナス要素のほうが大きいと思えるが…。
「『2人目の二刀流』に起用の目処が立ったようです。打者、投手の両方で起用できる選手がもう1人いれば、大谷が2日以上抜けても大丈夫でしょう」(在米ライター)
“2人目の二刀流”とは、昨年メジャーデビューを果たしたジャレッド・ウォルシュ内野手のことだ。昨年9月、メジャー初本塁打も放っている。どちらかといえば、打者に重点を置いた二刀流だが、マイナーではOPS(出塁率+長打率)が1.0を上回る爆発的な打撃力で、投手としてもカーブを得意とする緩急の技巧派左腕だ。ジョー・マドン監督も一塁、指名打者のバックアップ要員として期待を寄せており、
「マイナーではリリーバーとして二刀流の調整をしてきたので、肩がすぐに作れて、連投が利く点が気に入られています。左ピッチャーでもあるので有利」(同前)
と、投手としての出番も十分にありそうだ。打撃面で大きな期待をされているので、「代打出場からそのままマウンドへ」なんて場面も見られるかもしれない。
また、マドン監督は独創的な采配でも知られている。先発する試合では「DH制を使わない」と明言しているが、これは、ウォルシュの起用も含めての発言でもあったようだ。
ウォルシュの活躍如何では、本家二刀流の大谷も「マイナーでノンビリと調整」とはいかないだろう。
(スポーツライター・飯山満)