世界的起業家イーロン・マスク氏が、アメリカの政治に本格的に参戦――。彼が新たに立ち上げた第三政党「アメリカ党」は、米国の二大政党制に一石を投じ、世界中で波紋を広げている。
昨年の米大統領選では、マスク氏はトランプ氏を全面的に支援。政府効率化のための施策にも深く関与し、蜜月関係を築いていた。しかし、今回トランプ政権が推し進めた「大型減税法案」に対し、マスク氏が「歳出削減による社会的弱者への影響が大きすぎる」として真っ向から反対。マスク氏が経営するテスラなどのクリーンエネルギー企業に対する歳出抑制も盛り込まれた同法案は、彼にとって“死活問題”だった。
マスク氏はXで「あなたたちの自由を取り戻すために結成された
これにトランプ氏の怒りは増幅。マスク氏の出身地・南アフリカへの「強制送還」まで示唆するという異例の展開に発展している。
一方、ロシアやEUなどの国々はマスク氏の動向に注視。ロシアでは上院議員がSNS上で「ロシアに来れば仲間がいる」とメッセージを送るなど、マスク氏を取り込もうとする動きも見られる。
小池百合子都知事が記者会見で「マスク氏を日本に招いたら」と発言したことで、日本国内でも関心が急上昇。マスク氏周辺では、EV事業やAI・宇宙開発関連の提携話が水
イーロン・マスク氏の新党「アメリカ党」は、米国内政にとどまらず、国際関係や経済戦略にも大きな影響を与える可能性を秘めている。今後の動向次第では、アメリカと世界のパワーバランスそのものを揺るがすことになるだろう。
(田村建光)