福岡県東部に位置し、かつては炭鉱業で栄えた香春(かわら)町で、いささか変わったカードゲームが子どもたちの間で大流行しているという。その名も「おじさんトレカ」。
このカードに登場するのは、なんと、香春町に実在するおじさんたち。例えば、「ファイヤーウォール」のカードには、元消防団長で地域の安全を守る「本田さん」が、「オールラウンダー」のカードには、元刑務官の「藤井さん」といったように約40種類あるという。
カードの考案者は「地域の中で、大人と子どもたちとの関係が希薄だった。こんなに素晴らしい人たちがいるのに誰も知らないのがもったいない」と説明している。カードに登場するおじさんたちは、今やヒーロー的な存在になっており、実際に「おじさんに会える」という理由で、地域活動に参加する子どもが倍増したという。
ところが、この地方の小さな町に起きた話題に、X上では《何かが起きてからでは遅い》と、下記のように警鐘を鳴らす人もいるという。
《子どもたちがおじさんを警戒しないように仕向けるのはよくない》《実在の人物を親しみやすくキャラクター化か。危険だよ、グルーミングに利用されかねない》
「危険視する人の多くは、カードの普及によって子どもたちの警戒感が薄れ、他の大人による性犯罪などが起きることを懸念しているようです」(社会部記者)
地域で活躍する大人に対し、子どもたちがヒーロー視して交流が深まる…そんな心温まる話題に指摘された「犯罪の可能性」。時代と言えばそれまでだが…。
(ケン高田)