「ルンバ」のiRobot「事業継続困難」を表明、1月の値下げは何だったのか

 スイッチひとつで部屋の隅々まで自動で掃除してくれるロボット掃除機。その代名詞になっている「ルンバ」を製造する米iRobotが3月12日、事業を続けることが困難であると表明し、先行きが懸念されている。iRobotは米アマゾン・ドット・コムへの事業売却を模索していたが、断念。「少なくとも12ヵ月間、事業を継続できるかどうか」としている。

 仮にiRobotが倒産したら、現在保有しているルンバはどうなるのか。現在ルンバには無料3年保証、有料5年保証がついているが、無効になる可能性が高い。これまで通り掃除はできるが、アップデートなどのサポートが切れるため、追加の機能向上は期待できない。またセキュリティの脆弱性も懸念される。一番の問題はブラシやダストパック、クリーニングブラシなどが手に入らなくなることだ。

 13日には、一部メディアがアイロボット・ジャパン代表執行役員社長・挽野元氏のインタビュー記事を掲載。挽野社長は、今年1月に一部モデルで約1万円の値下げを行ったことについて「より多くのお客様にロボット掃除機を身近に感じてもらう良いタイミングだと判断した」と回答。「ルンバの最大の強みは、長年の開発で培われた技術とノウハウ、そして蓄積されたデータにある」と自信満々に語っていた。

 しかし、新生活がスタートする時期とはいえ、突然の値下げに違和感をおぼえた消費者もいたのではないか。

 ルンバは指定価格制度を導入しているため、全国どこの店で購入しても価格は変わらないが、今後、場合によっては大幅値引きが行われる可能性もある。iRobotの株価は昨年5月に14ドル以上の値をつけていたが、12日には一時3.63ドルまで落ち込んでいる。この市場の動きをどう見るか…。

 ルンバの購入を検討している人は、十分に検討を重ねたほうがいいいだろう。

(ケン高田)

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