今なら発禁!ヤバ〜イ暴露本「深淵なる世界」(2)聖子の歌は「聞くに堪えず」

 昭和の芸能界で最も話題になった暴露本と言えば長門裕之の「洋子へ」だろう。

 暴露始めは長門が脇役ばかりの若手時代にさかのぼる。役者として売れたらプロポーズしようと決めていた相手・扇千景との純愛だ。

 激しい男女の営みのあと、「(中村扇雀と)結婚するからこれっきりにしてほしい」と告げられて大ショック。衝動的に手首を切り、自死未遂を図っていたと仰天の告白をしている。

 さらには、松田聖子は「歌は聞くに堪えず芝居は学芸会」、小川真由美は「整形で昔の顔の方が良かった」、大橋巨泉は「カネの亡者」、愛川欽也は「ダメ男の典型」など、絨毯爆撃のごとく芸能界を全方位で砲撃した。

 翻って自身は結婚してから女遊びが盛んになり100人斬りを達成。その不倫相手の8割が女優で、妻・南田洋子が〝公認〟する池内淳子もいた。1日に4人と掛け持ちでやったこともあったなど、弟・津川雅彦に勝るとも劣らないプレイボーイぶりを自信マンマンに語っている。

 長年、ワイドショー司会を務めてきた作家の亀和田武氏は、長門の謝罪会見を鮮明に記憶していた。

「ビックリしましたね。暴露本を書くような人ではないと思っていたのですけど‥‥。扇千景と別れの日の行為から自死未遂の描写は微に入り細をうがって記してありました」

 昨年、英BBCの報道でジャニーズ問題が取り上げられて、ジャニー喜多川の性加害の全容が判明した。

 北公次が出版した「光GENJIへ」から実に36年の歳月が経過していた。

「結局、デビューしたタレントで被害を告白したのは北さんと忍者・志賀泰伸の2人だけ。知り合いの店によく同じ忍者の高木延秀や正木慎也とか来てたけど、絶対にその話をしなかったからね。結局、未成年の小中高生に手を出していたのが問題で、枕営業しているタレントが芸能界にどのくらいいるのかって言ったらメッチャいる」(マグナム氏)

 ニューブリードのバンドマスター、ダン池田が出版した「芸能界本日モ反省ノ色ナシ」も70万部の大ヒットを飛ばした。

 日記スタイルで連ねるエピソードの多くは愚痴で「夜のヒットスタジオ」の出演料はたった4500円で駐車場代金は自腹。年下のプロデューサーに「おいダン池田、コノヤロー」と、ぞんざいに扱われても従うしかない。「俺をもっと敬え」と主張する。

 高田みづえ(64)の「君こそスターだ!」での7週勝ち抜きは出来レースでデビューは始めから決まっていた、といった骨のある告発もあったが、一方で人気絶頂だったアイドル歌手については〈今日生理で歌聞けばすぐにわかる。音程があがりきらないからだ。女のコって微妙なもんだ〉という便所の落書きのような記述も多かった。

(つづく)

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