性サイトで「使えなくすることも必要」Visaカード社長の“ブランド防衛”発言が話題

 一部界隈で、JCBカードの存在感が増している。背景には、ビザ・ワールドワイド・ジャパンのシータン・キトニー社長の発言があるようだ。

 キトニー氏は11月26日、タッチ決済の普及と大阪エリア振興プロジェクトの進捗について日本市場での成長戦略を明らかにし、カード番号をトークンに置き換える「Visaトークンサービス(VTS)」の導入について言及した。

 一方で、Visaのブランド力を守るため、成人系コンテンツの販売を行うサイトでは「ブランドを守るために、使えなくすることも必要になる」とコメント。一部ユーザーの間で注目を集めている。

 クレジットカードの国際ブランドといえば「Visa」や「Mastercard」を思い浮かべる人も多いだろう。特にVisaは日本で約50%のシェアを持っていることもあり、あらゆる店で使い勝手がいいのは事実。ところが今年6月、成人向けEC「FANZA」内コンテンツ「FANZA同人」においてVisaのクレジットカード決済が一時利用停止になり、ユーザーを動揺させる事件が起きた。マネーライターが語る。

「2022年7月にMastercardがDMM.comでの利用を停止したのを皮切りに、Visaなど他のカードも成人系サイトで利用停止にする動きが増えています。一方でJCBは利用を継続しているために、主に男性ユーザーの乗り換えが見られています。キトニー氏の発言は、日本市場における艶系コンテンツへの決別宣言ということでしょう。今後、少なくないシェアをJCBに奪われるのではないでしょうか」

 クレジットカード会社による表現規制を巡っては今年8月、山田太郎参議院議員が米Visa本社の責任者に確認して「合法コンテンツの内容に対する価値判断はしていない」という回答を得たことを明かしていた。成人モノ拒絶発言は、あくまでも日本法人代表のキトニー氏の独断なのだろうか…。いずれにしても、これまでクレジットカード決済で手数料を稼いできたクレジット会社が、有無を言わさず突然、利用停止にするのはいかがなものだろうか。

 規制を強化する立場を取ってこなかったJCBの存在感が高まっている。

(ケン高田)

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