「痛みで相撲が取れない」貴景勝が9度目カド番でも土俵に上がり続ける切実事情

 先の夏場所で2敗後に全休し、名古屋場所は大関を守る闘いとなる貴景勝。休場の原因は首のヘルニアで、もともと痛めていた箇所。ヘルニアは慢性化しやすく、そう簡単には治らない。7月はこれまで以上に厳しい闘いとなりそうだ。

「上位陣は新旧交代が著しく、勝ち越しさえ容易ではありません。しかも、押し相撲の貴景勝にとって首のヘルニアはまさに爆弾。だいたい、頭からいけない。当たり所が悪く、再度休場になってしまう可能性もあるからです」(相撲ライター)

 貴景勝は貴乃花の秘蔵っ子として知られる。しかし、その貴乃花が相撲協会を脱退。一門の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)が引き取り、千賀ノ浦親方は4年前、21年4月に再雇用制度の任期が終わる常盤山親方と名跡交換している。相撲ライターが続ける。

「常盤山親方にとって、貴景勝はもらい弟子にあたるので、親方株は貴景勝自身が手当てする必要があるのです。相撲も大変ですが、株の取得にはそれ以上に苦労するはず。ただ、大関は3年間、平年寄ではあるが委員待遇として残れるので、その間に手当てすればよい」

 貴乃花の元妻・河野景子さんからは、ニンニクの素揚げを送ってもらったり、繋がりはあるらしい。もしもの時は貴乃花が人脈を駆使して、弟子に恥をかかせないようにするはずだ。

 夏場所の休場で、3場所連続休場となった。

「1月の初場所で休場した時は本人が申し出たが、相当痛いのだろう。場所前に相撲を取る稽古をしたのはわずか2、3日だけ。『ここで無理はさせられない。いい治療法を探して休むことに集中させたい』と親方は語っていたが、半年経過しても変わらず。いよいよ引退が迫ってきた」(同)

 9度目のカド番をどう乗り切るか。

(蓮見茂)

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