“令和版地上げ”か!? 大阪で多発する家賃急騰と民泊施設化

 現在、大阪で相次いで報告される家賃の値上げ。それも数千円や1万円といったレベルの話ではなく、いきない倍増というありえない賃上げで住民たちが悲鳴を上げている。

 6月7日に関西テレビが報じたと内容によると、大阪・日本橋のマンションで今年3月、6月分から家賃を9万円から18万円(※3DKの場合)にすると管理会社が通告。番組のインタビューに対し住人は、「生活がとても維持できなくなる」と語っている。

 ちなみに大手不動産情報サイト「SUUMO」で調べたところ、日本橋のある大阪市浪速区の家賃相場は1DK9.2万円、2DK11.7万円、3DK12.9万円。問題のマンションの新家賃は相場を5万円も上回ることになる。

 しかも、この管理会社は5月末まで退去する場合、自社仲介の物件であれば初期費用、さらに引っ越し費用も負担すると書面に明記。通常、家賃値上げの通告に対し、管理会社がこのように申し出るケースはまずない。

 バブル期の地上げ屋を彷彿とさせるやり方だが、番組では住民と管理会社の話し合いの音声を紹介。オーナー側の意向でマンションを民泊施設化するため、家賃値上げによって住民を退去させるのが目的という内容の発言をしている。ところが、オーナー側は「管理会社が勝手にやった」と主張。管理会社も後にこれを認めている。

「このケースが実際どうなのかは分かりませんが、オーナーの意向を無視して管理会社が家賃を値上げすることは通常ありえません。それに東京・大阪などの都市部でアパートや賃貸マンションの所有するオーナーさんの中には、民泊化を検討している人が多いのは事実です」(大阪の不動産会社担当者)

 特に大阪の場合、中心部でも東京と違って家賃は安い。一方でインバウンド需要の回復に加え、来年には大阪・関西万博を控えており、ホテル不足は当面解消されそうにない。

「正直、民泊化したほうが利益は大きいですから。大阪市内で家族全員が泊まれる2DK~3DKなら築年数が経ったマンションでも1泊2~3万円は手堅い。月の7割予約が入れば、管理運営を委託する業者への管理費を引いても30万円は入るはずです」(同)

 家賃収入の倍以上儲かるなら民泊のほうがいいのも納得できる。今回報道されたケースはあくまで氷山の一角で、実は似たようなことが各地で起きているのかもしれない。

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