19年ぶり10連勝!ロッテ・吉井監督 現役時代に長嶋監督の熱烈オファーを蹴った「ワシ流」の原点

 プロ野球・千葉ロッテが好調だ。日本一を果たした2005年以来、19年ぶりの10連勝を達成した。
 
 5月最後の試合となった阪神との交流戦、3試合連続延長戦を制した試合後、“19年ぶり10連勝”を振られると「あ、そうですか。よかったです」と淡々とコメントしたのは、就任2年目を迎える吉井理人監督である。そのキャリアは、現役時代からまさに“我が道をゆく”という言葉がピッタリ。

 1997年シーズン終了後、当時ヤクルトだった吉井監督はFA権を行使したが、巨人からの“3年総額12億円”のオファーを蹴っている。

「当時巨人を指揮していた長嶋茂雄監督が直々に口説きに交渉の席にやってきた。その長嶋監督がポケットマネーで1億円出す、というオファーだったが、拒否して大いに話題になった。結局、年俸2000万円の提示しかしなかった米・MLBのニューヨーク・メッツへの移籍を決めたんです」(夕刊紙記者)

 現役引退後、2014年には筑波大大学院に入学している。そこで学んだことは「コーチは教えてはいけない」ということ。そしてソフトバンク、日本ハム、ロッテでのコーチ業のキャリアを経て、一昨年、井口資仁前監督の突如の辞任表明により監督オファーがやってきた。

 千葉ロッテ担当記者はこう話す。
 
「井口前監督の電撃退任後でしたが、経験を十分に積んだ吉井監督だけに満を持しての就任、と言ったほうが適当でしょう。吉井監督体制になってから最も変わったのが、チームのアナリスト班(分析担当のスカウト)の仕事が増大したこと。若手選手に筋肉量などの詳細を数値化して選手に渡しています。これがなかなか好評なんです」

 監督に就任して最初に行ったのが監督室のレイアウト替え。「いつも扉は開いていて、いろんな音楽が流れているそうです」(同)とのことで、ギターの腕前もプロ並み。自らを「ワシ」と言う吉井監督の“ワシ流”が、今季のプロ野球界のトレンドになる予感だ。

(小田龍司)

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