「昨年の値上げは何だったの?」ケンタッキーのランチ最大160円値下げに意外な反応

 日本ケンタッキー・フライド・チキン(KFC)は、ランチタイム(10時~15時)に提供しているセットメニュー「ケンタランチ」16商品を5月29日から一律40円値下げした。発表されたのはこの前日で、値上げラッシュのなか突如の値下げに歓喜の声が上がっているかと思いきや、意外な反応も出ている。

「曜日に関係なく10時から15時に提供されている人気のバーガーやツイスターなどにポテトとドリンクがセットになったケンタランチ16商品の値下げで、通常価格よりも最大で160円引きになります。同チェーンが期間限定以外でこうした値下げを実施することは初とのこと。『チキンフィレバーガーセット』が690円に、『ペッパーマヨツイスターセット』が650円になるなど700円を下回る商品も増え、『より多くのお客さまにお手軽にお楽しみいただきたい』とアピールしています」(フードライター)

 同社が突然値下げを発表した背景には、昨年10月、9割のメニューを最大22%値上げしたことによる客離れがある。ただ、客足が遠のいたことで値下げを実施したことには《エネルギーや物流などの関連コストの高騰で値上げしたのに、客が来なくなったら値下げするっどうなの?》《昨年の値上げはどうしても必要だったわけではない便乗値上げ?》など厳しい意見がネット上で見られるのだ。

「日本KFCの月次情報を見ると、値上げをした昨年10月から既存店客数が前年割れを続けていて、4月は既存店客数が前年同期比80.9%で、売上高も同88.6%ですからね。同社は米投資ファンドのカーライル・グループに買収されることが決定しており、9月をめどに完全子会社となります。その前に客離れが拡大しているのはさすがにマズイと、改善に必死のようにも見えます」(経済ジャーナリスト)

 値下げは喜ばしいが、何か解せない部分を感じる人は多いようだ。

(小林洋三)

ライフ