「すき家」値上げ&深夜料金導入…庶民の味方のはずだった牛丼にも「1000円超時代」が見えてきた

 牛丼チェーン「すき家」を展開するすき家は4月3日から、牛丼並盛を30円値上げするなど商品価格を一部改定し、7%の「深夜料金」も導入する。

 値上げしたのは、牛丼やカレーなど約3割の商品。牛丼ではミニが350円から380円に、並盛が400円から430円にそれぞれ30円値上げされ、大盛が580円から630円に、特盛が730円から780円に、メガが880円から930円にそれぞれ50円値上げされた。また、22時から翌5時の間に注文した商品には深夜料金7%が加算されることになり、牛丼並盛は460円と、牛丼チェーン大手3社では最高値となる「吉野家」の468円に迫る価格になった。

 牛丼チェーン大手3社では、新型コロナウイルスの感染拡大以降、原材料費や人件費、エネルギーコストなどの上昇を受けて、相次いで値上げを実施。2012年~14年頃には270円~290円程度だった牛丼並盛の価格が1.5倍以上に値上がりしている。これまで500円の壁を超えたことはないが、このままでは500円どころか1000円台にまで達する可能性もあるという。

「牛丼に使われる輸入牛肉の卸値は、干ばつによる生産の停滞によって1991年以降で最高値を記録しています。また、円安の進行も重なり、現在は1ドル151円台ですが、今後は150円台後半まで上昇する可能性も高いとみられている。アメリカの吉野家では、『ビーフボウル(=牛丼)』のレギュラーサイズが約1200円ですから、日本でもそれに近い価格まで上昇する可能性もないとは言い切れない。明治時代から庶民の味として親しまれてきた牛丼ですが、なかなか気軽に食べられるものではなくなってしまうかもしれません」(経済ジャーナリスト)

 まだまだ牛丼の価格は高騰しそうだ。

(小林洋三)

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