「避難所の自販機破壊」弁済求めないコカ・コーラに称賛も「災害支援型自販機」の存在周知を!

 能登半島地震発生直後に避難先の石川県立穴水高校の自動販売機が壊された問題で、被害届を提出している北陸コカ・コーラボトリングは破壊に関与した女性から謝罪があったことを明らかにしたが、1台約40万円という自販機の弁済は求めないとし、称賛の声が相次いでいる。

「自販機が破壊されたのは地震発生から4時間後の1日午後8時頃で、目撃者らによると、4、5人の男女が緊急事態であることを周囲に説明し、工具を使って扉をこじ開け、飲料を取り出して避難している人たちに配布したといいます。なお、校内に設置されていた雪印メグミルクと明治の自販機も破壊されていましたが、2社は状況を確認中とのことで、現在被害届を出しているのは北陸コカ・コーラのみとなっています」(社会部記者)

 北陸コカ・コーラによると、22日に自販機の破壊に関与したという女性から連絡があったといい、気が動転していて避難している子どもたちに飲み物を配ろうと破壊してしまったと説明があったことを明らかした。この女性は弁済の意思を示したというが、同社は事情を考慮して被害弁済は求めない方針だという。

「じつは、破壊された自販機は『災害支援型』だったといい、災害時には管理者である校長などに連絡すれば鍵を開けて無料で飲み物を取り出せるようになっていたそうです。被災直後でパニックになっていたことは十分理解できますが、破壊行為は怪我につながる可能性もありますし、破壊の連鎖を呼び治安に悪影響を与えかねません」(防災アドバイザー)

 自販機などに災害時に利用できる機能があることが、情報としてより広く共有されることも重要だろう。

(小林洋三)

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