1月7日の初回視聴率が12.7%と、大河ワーストを更新する厳しい船出となった吉高由里子主演のNHK大河ドラマ「光る君へ」。平安時代でもっとも華やかだった10世紀後半から11世紀前半の京都が舞台で、戦のシーンがないことで話題を集めていたが、同作品をめぐっては放送前からある問題が指摘されていた。
それは藤原姓の登場人物がやたら多いこと。藤原氏が絶対的な権力を持っていた時代なので当然といえば当然だが、第1話放送時点の番組公式サイトの全体相関図で紹介されている47人中24人が藤原姓。世間の知名度が高い人物といえば、所説はあるものの吉高演じる紫式部と恋仲にあったとも言われ、藤原氏全盛期の最高権力者として日本史の教科書にも載っている藤原道長(柄本佑)くらいだろう。
「相関図では主人公を『まひろ/紫式部』と表記していますが、父親は藤原為時(岸谷五朗)で彼女も藤原氏。紫式部の本名は不詳ですが、研究者の間では当時の文献に登場する藤原香子が同一人物との説が有力です」(歴史学者)
他にも相関図をチェックしてみると、紫式部の母親はちやは(国仲涼子)と名前のみの表記だが、藤原為信女だと言われている。また、藤原道長の母親も時姫(三石琴乃)としか書かれていないが、厳密には藤原時姫だ。つまり、相関図には本名が藤原○○でも藤原姓で紹介されていない人物が複数いることになる。
「まあ、そこにこだわりすぎると藤原姓の登場人物が半数どころじゃ済みませんし、主人公を藤原香子にしてしまうと視聴者もピンと来ないでしょう。それでも物語が進めば藤原姓の人物が次々と出てくるため、視聴者が混乱しないか心配です」(同)
大河ファンからも《藤原多すぎだろ!》《藤原祭りだな。とても覚えきれん》といった声がネット上にあがっており、なかには《藤原竜也や藤原紀香など藤原姓の俳優も起用すれば話題作りになるのに》なんてコメントも。そんな難解な“藤原問題”に制作サイドがどう対応するのか今後に注目したい。