子供300人以上を殺害「コロンビア史上最悪の殺人鬼」が仮釈放目前に「謎の死」その真相は…

 1910年に死刑が廃止された南米コロンビアでは、その後、凶悪犯罪が急増した。90年代には、10万人当たりの殺人件数にあたる殺人率が77.5人となり、世界1位を記録したこともある。

 そんなコロンビアで、判明しているだけで少年170人以上を殺害し、「禁錮835年」で服役中だった「ジェノバの怪物」こと、コロンビア史上最悪の殺人犯、ルイス・ガラビート受刑者が10月12日、入院先の診療所で「複数の疾患」により、66歳で死亡したと矯正当局が明らかにした。

 ガラビート受刑者が最初に犯罪に手を染めたのは、1992年10月だとされる。以来1999年に逮捕されるまでの7年の間に172人の少年をレイプ・殺害したと自供している。コロンビアの司法長官事務所は、うち138人について有罪判決を下したが、裁判では本人も212人の殺害を認めていることから、実際は300人以上を殺害した可能性もあるという。

「捜査のきっかけは、1998年10月にペレイラという町で、子供ばかり36人の遺体が見つかったことに端を発します。当初はカルト教団の仕業だと思われていたようですが、捜査の結果、ガラビートの存在が捜査線上に浮かび、1年後の逮捕となりました。捜査資料によれば、ガラビートは行商人としてコロンビアやエクアドル各地を放浪し、障害者を装ったり、教育機関の名を騙っては、各地の学校を訪問。子供たちに現金や菓子を配り信用させたあと性的暴行に及び、殺害しています。多くの遺体は全裸でバラバラに解体されていたといいますから、まさに鬼畜の所業と言わざるを得ません」(犯罪ジャーナリスト)

 犯行の残虐性もさることながら、裁判で明らかになったガラビート受刑者の半生も壮絶だった。本人の証言によれば、父親から日常的に殴られたり、木に縛り付けられたりなどの拷問を受け、さらには性的暴行も受けていたというのだ。

「供述によれば、ガラビートは14歳の時、5歳の少年をレイプしようとして母親に家から叩き出されました。以後、露天商になったものの、アルコール依存症とうつ病を発症、常に自殺願望を抱えていたようです。裁判の結果、ガラビート受刑者には2001年に計835年の禁錮刑が言い渡されましたが、コロンビアの法律では禁固刑の最長期は40年。結果、服役したガラビートは2039年に82歳で出所することになっていたのです」(前出・ジャーナリスト)

 もっとも、通例であれば2023年、つまり今年中にも仮釈放が認められる可能性があったという。そんなことから、ガラビート受刑者の死については様々な憶測が飛び交っているのだ。

「ガラビートが白血病治療のため、バジェドゥパール刑務所から診療所に移送されたのは2020年3月でした。そして、入院から3年半、仮釈放を目前にして死亡した。しかし、当局は疾患についての詳細を明らかにしていません。そのため、国内では診療所で処刑されたのではないか、などの噂が囁かれています」(前出・ジャーナリスト)

 果たして「史上最悪の殺人鬼」の死の真相は…。

(灯倫太郎)

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