自民党総裁選（9月27日投開票）に出馬した小泉進次郎元環境相が「政権を作ったら即、衆院解散」を振り回し暴走している。
15日、NHK「日曜討論」には候補者9人が出演し、それぞれの政策を訴えた。その席で解散の話になったとき、小泉氏を除いた他は野党との国会論戦で政権としての考えを一定示した上で国民の信を問うべき、という意見が大半だった。しかし小泉氏は、今回の総裁選びは従来よりも機関が長く、各候補がすでに「自分が総裁になったら」と政策を出しているとの理由から、「判断材料は十分にある」と譲らない。
挙げ句、「国会論戦を行わないまま衆院を解散するのが現実的なのか」と問われると小泉氏は「それ、永田町の論理に毒されていると思いますね」とし、NHK解説員に苦笑いされていた。
政治アナリストは言う。
「今は裏金疑惑議員など選挙に不安のある議員は『小泉人気で一気に総選挙』と言う。しかし一方で、小泉氏は仮に総理になったとき、民意を得ないまま政権構想を示し国会で論戦になった際、ボロボロに論破されるのを避けるため解散を急いでいるのでは、という与野党議員の声もある。今後は、そんなに解散を急ぐ小泉氏を肝心の国民がどう見ているかが、永田町界隈の話題の焦点となるでしょう」
そんな中、日本テレビが総裁選告示日に小泉氏の父、小泉純一郎元総理を直撃し、こう聞いた。「進次郎氏は総理になったらできるだけ早く解散をと言っているのですがどう思われますか？」。これに対し小泉元総理は答えをはぐらかしつつも「今、総理にならないほうがいいのにね」とポツリと漏らし建物の中に消えた。その真意は一体どこにあるのかと、こちらについても永田町では様々な憶測が飛びかっている。
（田村建光）
