ストリーミングサービスを手掛ける米Pluto TVが6月15日、55インチ4Kテレビ「Telly」50万台をなんと無料で提供すると発表した。ただ、一方で支払わなければならない代償があまりにも大きすぎるのではないかと、米メディアは批判的に報じている。
「Tellyは『完全に無料で提供することで業界のビジネスモデルに革命を起こす』を目標に製作されたダブルスクリーンテレビで、メイン画面の下に『スマートディスプレイ』という別の横長の薄型画面が配置されています。そこにはニュース、天気、株価などが表示されるのですが、加えて広告も表示される。広告はテレビをオフにしてもつきぱなしといい、それが無料でテレビをもらうための一つ目の条件となるのです」(ITライター)
もう1つの条件は個人情報の提供で、視聴したコンテンツや視聴時間、選択したボタン、さらにはテレビを視聴している人物情報を収集されるという。そして、このテレビにはカメラやマイク、モーションセンサーが内蔵されており、テクノロジーニュースサイトの「Ars technica」は、「それらは人々を追跡するのに優れた方法のように思える」と指摘している。
「無料とはいえ、家の中で常に広告が表示され、プライバシー情報を提供し続けるのは、さすがに対価に見合わないとの見方あります。家の中を覗き見されるようなことはないとは思いますが、大手電気自動車メーカー『テスラ』の元社員らが車載カメラの映像や画像を社内で共有していたことが告発された例もある。もしTellyを家に置くのならそれ相応の覚悟が必要でしょう」(フリージャーナリスト)
なお、Tellyのデータ収集機能をオフにした場合、テレビを返却するか本体代金を支払うことになるという。それでもタダなら欲しい!?
(小林洋三)