菅野智之「新投球フォーム」より深刻!「巨人の主役」降板の危機

「世代交代」と言ってもよいのではないだろうか。2月13日、巨人・菅野智之投手が5回目のブルペン投球を行った。プレート板の前に両足を置く新投球フォームを試し、途中から菅野のボールを受けた小林誠司捕手が絶賛していた。

 しかし、同日の「木の花ドーム」内のブルペン で主役を張ったのは、菅野ではなかった。WBC日本代表メンバーでもある戸郷翔征である。
 
「戸郷は菅野よりも少し遅れて、投球練習を開始しました」(現地記者)

 このキャンプでは今までになかった光景も見られている。

 戸郷が投球練習を始めると、他投手やコーチ、チームスタッフらが集まり、遠巻きにそれを見ているのだ。同日はグリフィン、ビーディ、メンデス、ロペスの外国人投手たちも足を止め、戸郷の力強い投球に見惚れていた。ズドンと捕球音が響くたびに頷き、小声で何かを話していた。

 その会話の中身は分からない。想像だが、「良いピッチャーだな」「メジャーでも通用しそうだ」なんて話していたのではないだろうか。

「戸郷は侍ジャパンの壮行試合が始まる2月25日には全力投球できるよう、ハイペースで仕上げています。菅野は新フォームをテストしている段階なので、この時点で『差』が生じるのは当然なんですが」(球界関係者)

 新投球フォームのことで、阿部慎之助ヘッド兼バッテリーコーチが質問する場面もあったが、菅野は“一人の世界”で投げ込んでいるような雰囲気だった。

 ちょっと気が早いが、こんな声も聞かれた。

「WBCの決勝戦は3月21日、ペナントレースの開幕戦は31日なので、『開幕投手は誰か?』と聞かれたら、国内で調整を続けていく菅野が優勢です。原辰徳監督は開幕投手についてまだ明言していませんが」(同前)

 戸郷はWBC球とNPB公式球の両方で調整をしている。WBC決勝戦後のペナントレースに向けての調整をスムーズにこなすためだが、戸郷自身も開幕投手を狙っているとも解釈できる。

 菅野の調整も順調そうではあるが、“素通り”される状況に多少の寂しさを感じているのではないだろうか。

(飯山満/スポーツライター)

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