世界基督教統一神霊協会(統一教会)の名称変更が実現したのは2015年8月。以降、世界平和統一家庭連合として活動しているが、この名称変更にいたるまでの経緯に注目が集まっている。社会部記者が語る。
「旧統一教会は1997年に名称変更について文化庁に相談し、当時、文化庁宗務課課長で元文部科学事務次官の前川喜平氏が申請しないよう要請。しかし、それが2015年に一転して、旧統一教会の名称変更が認められたため、当時の文部科学大臣・下村博文氏が何らかの形で関与していたのではないかと疑惑の目が向けられています」
キーマンの前川氏が8月11日放送の「ゴゴスマ」(TBS系)に出演して、政治的圧力について「(名称変更の)認証の申請が出てきたという時点でですね、申請を出せば認証してもらえるという見通しがあるから出してきたわけで、何らかの政治的な…何らかのルートで連絡が行ってるんだろうと思いました」と振り返った。
その後、前宮崎県知事でタレントの東国原英夫が下村氏との関係について前川氏にこう尋ねた。
「下村さんははっきり『そうしなさい』『そうしちゃダメだよ』と言うのかな。役所の経験上、大臣とか副大臣に報告した時に黙っているとか、『そうですか』と言うとか、それが結果的に『うん』と言ったことになる。それは役所の方たちが大臣、政治家に忖度をして物事を進める場合っていうのがあるのかどうか」
この質問に、前川氏は「報告をするという言葉は非常に軽い言葉ですよね」としたうえで、東国原氏の指摘を否定。大臣に話を持っていく際はペーパーを持参し、事情を説明して大臣の判断を仰ぐのが常識と述べ、「そこで意思の確認をするのは当然やるわけです」「報告を受けたけど関わっていないという理屈は全く成り立ちようがないと思っています」と語った。
その後、MCの石井亮次アナが「前川さん18年間、『ダメダメ』ってやってきたのをひっくり返したわけですよね。そこで大臣とこに持って行ってる時点でなんか忖度があったり、政治的介入があったりっていうのは、確かに想像はできるので、ただ東(国原)さんおっしゃったように、指示をしたのかっていう足跡というか…」と述べたところで、前川氏は一笑に付して「これは(笑)、指示しなかったとしてもですね。責任は逃れられないですよ、大臣は。宗教法人法上の所轄庁は文部科学大臣なんですから。その文部科学大臣の名前で行う認証の、内部的な決裁権者は文化部長ですけどね。だけどこれ法律上の責任は文部科学大臣にあるわけであって、認証が間違っていたら訴えられるんですから」
こうしたやりとりに、ネット上では《東国原さんの下村擁護の意図がわからん》《行政通ぶってるけど前川さんにバッサリやられた》といったコメントが相次いだ。なぜ2015年に旧統一教会の名称変更が認められたのか。モヤモヤしたやりとりはしばらく続きそうだ。