「ひるおび」スシローの“おとり広告”猛批判の直後に、売切御免CM垂れ流し!

 消費者の誤解を招くCMをさんざん批判していたものの、ちゃっかり問題となった企業のCMを垂れ流す局の姿勢に多くの視聴者が疑問を持ったようだ。

 売上業界1位の回転寿司チェーン「スシロー」が、「景品表示法違反」(おとり広告)で消費者庁から再発防止を求める措置命令を受けたのは6月9日。CMやポスターでお値打ち商品のキャンペーンを大々的にPRしながら、全国に展開する約600店舗のうち、実際には初日から“在庫切れ”になっていた店舗もあったという。問題となったのは「濃厚うに包み」(税込110円)、「うに3種盛り」(税込528円)、「豪華かにづくし」(税込858円)の3つ。これらを目当てに、開店時間に合わせて店舗に足を運んでも、すでに「売切御免」となっていたことから、消費者庁には多くの苦情が寄せられていたようだ。
 
 6月10日放送の「ひるおび」(TBS系)はこの問題を取り上げ、「陳謝 スシロー『おとり広告』措置命令受け謝罪」「慢心 スシロー『おとり広告』シェア1位の“おごり”か」といったテロップのもと、およそ40分にわたって専門家やコメンテーターが厳しい批判を繰り広げた。
 
 複数の店舗で商品の在庫が切れた状態でもCMをオンエアしていたことについて、コメンテーターの八代英輝弁護士は「(売れ行きや入荷の)読み間違えとか、そういうことは飲食に関してはまま起こることだと思うんですね。それは誰も責めていないんです。購入することができないのであれば、それを消費者に通知するべきですし、CMを打ってるんでしたらやめるべきですし」とコメント。さらに「それを目当てに来るお客さんに対して裏切ることになるからこれは問題視されてるわけです」と続けた。

 さらに批判の矛先は「広告動画」にも向けられる。「新物うに」のキャンペーンを伝える動画では、最後の約1秒で「販売状況により早期完売となる場合がございます」との表示が出ることについて、進行担当アナは「これに気付いた方は果たしてどれくらいいたのかな」と、その広告に疑問をぶつけていた。さらにコーナーの終盤では八代弁護士が「これだけの大きな企業が期間を銘打って、キャンペーンをやってるわけですから、そういう不確実な広告は許されないでしょ、というところが問われた」と見識を示した。だが、この直後にスシローのCMが流れる展開に、多くの視聴者が番組不信に陥ったようだ。テレビ誌ライターが振り返る。

「スシロー問題を扱っていた午後0時30分ごろ、スシローの『未来輝け 大創業祭』と銘打ったCMがオンエアされました。一日数量限定で販売される税込110円の『倍とろ』を猛プッシュ。『スシローぜ』『食べまくろうぜ』というフレーズとともに、まぐろのネタが次々と画面に映し出されましたが、『6月12日まで/売切御免』の文字が表示されたのは1秒間にも満たなかったように思えました。CMがあけても、専門家が『こういう売り方はダメ』などとスシローを猛批判していたのが印象的でした」

 視聴者に注意喚起するも、番組内でCMを垂れ流しては、やはり説得力に欠けるかもしれない。

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