税金の使い道に文句があれば選挙に出ろ!? 杉村太蔵の発言にNSC講師が反論

 375万円の公用車、シャンパンタワー、花火大会…。2020年に国が新型コロナに対応するため、地方に交付した「地方創生臨時交付金」の使い道について、国会が紛糾したのは5月30日。補正予算をめぐる審議で、立憲民主党の蓮舫議員が、「入籍するカップルに5万円の商品やサービス」「シャンパンタワー、二次会の経費、頭皮環境改善スパ代」などと例を挙げて厳しく追及した。
 
 6月5日放送の「サンデー・ジャポン」(TBS系)でもこの話題を取り上げ、製作費3000万円と言われる巨大なイカのモニュメントなどを紹介。「この使い方で納得できる?」をテーマに出演者が議論を繰り広げた。
 
 元衆議院議員でタレントの杉村太蔵は、地方創生臨時交付金について、国が「自由に使ってください」と交付したものだと説明。使い道についてチェックが行き届いていなかったのではないかという指摘に対して、こう持論を展開した。
 
「各自治体、議会で承認されてますから。その地元ならではの必要な…。イカだったかどうかはさておき、議会で真剣に議論されて、イカが必要だってことになったんですから、これは民主主義としては受け入れざるを…。これが、どうしてもおかしいって言う方はぜひ立候補して。行政の使い方をチェックしようと。こういうことなんじゃないかな」

 まるで「税金の使い道に文句があれば選挙に出ろ」という主張だが、これに反論したのが、放送作家でお笑い養成学校NSC講師の桝本壮志氏。「自治体とか政府って国民の問題を解決する装置であるべき」として、国民の声や言葉を「オイル」として注入すべきと主張。杉村の「立候補して」というくだりに、「政治経験者の方って税金が、『使い方が気に食わなかったら立候補しろよ』って文脈になるんですけど」と指摘して、「外からしっかり声をあげて、オセロのように真ん中の色を変えていくっていうのも民主主義だと思うんですよね」と、立候補という形に頼らなくても、国民の意見が反映されるべきだと語った。

 これに杉村は「オイルの注入は、だから4年に1回来ますから。選挙に出ろって。それはね…これを否定されるとなかなか民主主義の議論にならないかなって思っちゃうわけ」と語り、改めて「チェックは4年に1回」と補足。MCの爆笑問題・太田光が「太蔵君は、文句言うなら(選挙に)出ろって言ってるわけではないと」と助け船を出すと、杉村は「ない、ない…ではなくて」と乗っかり、「おおいに文句言ったほうがいい」「その議論がとても大事だと思う」と締めくくった。

 この変節ぶりはSNS上でも話題となり、《いや太蔵さん、異論あれば立候補してって言ってたよ》《文句があるなら立候補しなければって言ってたのに“なかったこと”にした》《コロコロ主張を変えるから桝本さんも困った顔してた》といった意見が寄せられていた。

 コメンテーターとして生き残るには変わり身の早さが重要かもしれない。

ライフ