「すごい暴露だ!」泉房穂・明石市長、パソナを巡るツイートで大バズり

「すごい暴露だ」。もともと過激なモノ言いで知られる兵庫県明石市の泉房穂市長のツイートが、かなりのぶっ込んだ内容でバズっている。

 件のツイートが行われたのは5月14日のこと。まずは「先進国で唯一『賃金』が減少している国、それが日本」とし、主な先進国の賃金の伸び率のグラフを上げた。ツイートはさらに、正社員と非正規社員との賃金格差に話が及び、これを「なぜか政治家は、この格差を助長する方向で法律改正を重ねている」と疑問視。そして爆弾発言が飛び出す。あの竹中平蔵氏が会長を務める人材派遣大手のパソナは、時に政治との距離の近さを指摘されることが多いが、泉市長はいきなり同社のことに触れ、「パソナは、落選中の政治家に対して、その間の生活費用の面倒を見たりもしている」と綴ったのだ。

 さらには自らが明石市長に当選した直後に同社の社長から食事の誘いがあったこと、同社が都内の元麻布に「仁風林」という“迎賓館”を構えていて、安倍晋三、菅義偉といった歴代首相経験者ら大物政治家をここで接待してきた経緯について触れた『デイリー新潮』の過去記事のリンクまで貼っている。

 これを普通の文脈に沿って読めば、世間的にはときに格差社会の元凶とも名指される会長を擁する人材派遣会社が、政治家を丸抱えにして支えながらあたかも利益誘導してきたことを暗に仄めかしていると感じるのが普通だろう。しかもパソナの本社がある淡路島は、国政では明石市と同じ選挙区だ。その背後に何かあると感じざるを得ない。ちなみにこの選挙区からは、西村康稔・元経済再生担当大臣が選出されている。

「泉市長はこれまでも自由奔放な発言で、度々物議を醸してきました。昨年4月には、コロナの対応を巡って大阪の吉村洋文・大阪府知事を『責任放棄で失格』、井戸敏三・兵庫県知事を『無能』と批判(ともにのちに撤回)。今年2月には、地元企業の川崎重工の課税データをツイッターに上げたことで問題になり、この件では百条委員会まで立ち上がりました。パソナについて触れる直前の12日には、設置法案の国会審議が大詰めの『こども家庭庁』について、積極的な子育て支援政策で知られる市長だけに、『権限ないなら作る意味ない』と一刀両断、強烈なダメ出しをしたばかりでした」(全国紙記者)

 東大経済学部卒で、NHKでプロデューサーを務めた泉市長。東大時代は駒場寮の寮委員長を務め、政治入りは、鋭い不正追及で名を馳せた末に暴漢に襲われて物故した石井紘基代議士の秘書からスタートしたというだけあって、一癖も二癖もある高潔漢なだけに敵も作りやすい。

 今年3月には副市長2人が任期途中で突然辞任して様々な憶測を呼んだ。ただそういった経歴だけに発信力が高い地方の首長として有名で、ツイッターを始めたのは今年1月になってからだが、わずか1カ月そこそこで10万以上のフォロワーを得ている。現在のフォロワー数は14万以上で、パソナ・ツイートには3.2万いいねが付き、1.6万リツイートされている。

 現在4期目だが、不祥事で出直し選挙を経たので実質は3期目。この時の19年の選挙では何と70%もの得票を得て、市民からは絶対的な支持を得ている。件のツイートも、パソナをあたかも“政商”呼ばわりしたようなもので、特に地元関係者の間ではかなりのハレーションが予想されるが、そういった過激な発言も、これに喝采を送る人がたくさんいるという実績が後押ししてのことなのだろう。

(猫間滋)

*画像は明石市役所

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