2月26日、DeNAと日本ハムのオープン戦が行われた。ひょっとしたら、ビッグボス新庄剛志監督(50)は地団駄を踏んで悔しがっていたのかもしれない。
「新庄監督は、俊足で本来は1番タイプの五十幡亮汰を4番で起用する試合もありました。五十幡の課題は打撃力です。課題克服のためであり、ソフトバンク柳田のようなトリプルスリーを狙える選手に育てたいのかもしません」(ベテラン記者)
そんな3割、30本、30盗塁が狙えそうな選手が、DeNAに出現した。
去る23日、DeNAは楽天との練習試合を予定していたが、雨で中止に。その楽天戦で三浦大輔監督が「4番起用」を予定していたのが、ドラフト6位・梶原昂希外野手(22=神奈川大/右投左打)だ。
「昨秋のドラフト会議前は『俊足外野手』として紹介されていました。でも、4年秋の神奈川大学リーグでバックスクリーン直撃の大アーチを放つなど、けっこうパンチ力もあるんですよね」(同)
大学通算のホームラン数は12。多いほうではないが、左翼方向に3本、中堅に5本と広角に打ち分けており、「1番バッターで起用するのはもったいない」との評価もされていた。
「26日の日本ハムとの練習試合では3番で出場しました。結果は3の1でした」(現地記者)
新人を4番でテストするのだから、三浦監督が期待しているのは間違いないようだ。
大分県・雄城台高校時代からプロ注目の逸材だったそうだが、興味深いエピソードも残している。
「東京五輪の陸上女子400mリレーに出場した児玉芽生選手と同級生で、彼女に100m走の勝負を挑んだそうです。児玉選手が勝ったそうですが、僅差だった、と。負けず嫌いなんでしょうね」(当時を知る関係者)
プロ志望届は出さず、大学へ進んだ。6位の下位指名は“低評価”だが、DeNAの主砲に成長した佐野恵太もドラフト9位だった。ドラフト会議は甲子園スターや即戦力投手を上位指名する傾向があるからだが、佐野に続く中核バッターが下位指名選手から出るとなれば、むしろ、ファンは大歓迎だろう。
強肩堅守、かつスラッガータイプは新庄監督の“大好物”。梶原が爆発したら、三浦監督はニンマリである。
(スポーツライター・飯山満)