出た、鈴木誠也のネガティブ記事 MLB労使協定の遅延でネタ切れか?

“あら探し”が始まったようだ。

 メジャーリーグでは新・労使協定を巡るMLB機構と同選手会の話し合いが遅々として進まない。

 去る1月24日、ようやく2回目の交渉が行われ、選手会側がFA資格取得までの年数短縮などいくつかの条件を取り下げた。選手会側が折れたことで進展が期待されたが、翌25日の3回目交渉でも合意は得られなかった。

 2月半ばから始まるキャンプ日程にも影響が出そうだ。

「目下、米国の野球報道は新・労使協定と鈴木誠也のことばかり。両方とも進捗がないため、ネタ切れ状態です」(在米ライター)

 その影響だろう。鈴木獲得に関するネガティブ要素も伝えられるようになった。

〈ショウヘイ・オオタニ以外の日本人野手がしばらく成功を収めていない〉

 これは米放送局CBSのスポーツニュース(電子版)が報じたもの(1月21日)。同局記者の署名記事で、「メジャーでプレーをしていないことが交渉をより複雑にしている」と伝えていた。

〈大谷以外が成功していない〉との指摘には承服しかねる部分もあるが、

「新・労使協定の話し合いで選手側は、ぜいたく税の課税ラインをチーム総年俸2億1000万ドル(約239億)から2億4500万ドル(約279億円)に引き上げる提案もしています。課税ラインが引き上げられれば、選手個々の年俸を上げやすくなるからです。しかし、これについても選手側が譲歩する可能性は高い。どのチームもぜいたく税を支払いたくないのがホンネ。鈴木と交渉している球団が、これから始まる本交渉において、改めて提示する契約金、年俸の金額を引き下げる可能性も出てきました」(同前)

 批判記事にある内容は、そうした状況を踏まえたものであり、“見当違い”ではないのだ。年俸を抑えて交渉する際には、メジャーリーグの打席にまだ立っていないことが必ず指摘されるだろう。
 
「鈴木はマツダスタジアムでの自主トレを終え、広島ナインに別れを告げました。不退転の決意で米球界に挑戦します」(スポーツ紙記者)

 想像していた年俸額よりも安かったとしても、鈴木の決意は変わらないようだ。

 新・労使協定の交渉遅延が気になる。鈴木はオープン戦途中で新チームに合流する恐れも出てきた。

(スポーツライター・飯山満)

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