大谷でも不可能な「異競技二刀流」を実現させた日本人アスリートとは?

 2月4日から開幕する北京冬季五輪。一時はオミクロン株の感染拡大で開催中止も危ぶまれたが、予定通り行われる見込みだ。

 今回は4年前の平昌冬季五輪の13個を上回るメダル獲得を期待されている日本選手団だが、なかでも異能のアスリートとして注目を集めているのがフリースタイルスキーモーグルの原大智だ。

 原は前回のモーグル銅メダリスト。翌19年に行われた世界選手権でもモーグルとデュアルモーグルの2種目で3位に入った世界のトップ選手のひとり。だが、その後まさかの競輪学校入学で世間を驚かせた。

 自転車競技未経験で訓練生時代は成績不振で強制退所の危機に瀕するも20年3月に卒業し、競輪選手としてデビュー。すでにA級3班から2班への昇格を決めており、「身体能力は全選手中トップクラス。いずれは最高峰のS級S班昇格も期待されている次世代のスター」と語るのはスポーツジャーナリスト。

 だが、競輪を一時休業して今季2年ぶりにモーグル界に電撃復帰し、21/22シーズンのフリースタイルスキーW杯に参戦中。北京冬季五輪で二大会連続のメダルを獲得するためだ。

 競輪転向による筋肉の付き方の変化などで現在の実力を疑問視する声もあったが、これまで出場したW杯の5戦うち、アルプデュエズ(仏)での第4戦で準優勝。他も7位入賞が1回と2年のブランクを感じさせない結果を見せつけている。

「彼が競輪選手に転向したことはモーグルの盛んな欧米では日本以上に大きく報じられ、欧州メディアでは『ツール・ド・フランスに出場するトップロードレーサーがモーグルW杯で表彰台に上るようなものだ!』、米国でも『大谷翔平でも不可能な異競技二刀流を実現させた男』などと絶賛されています」(同)

 北京でも前回を上回る色のメダルをぜひ獲ってもらいたいものだ。

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