「最高級のプレーヤーだ」今夏退団の岡崎慎司に、レスター監督が最大級の賛辞

 今夏でのレスター退団をすでに表明している元日本代表FW岡崎慎司について、現指揮官のブレンダン・ロジャースが心からの賛辞を贈っている。

 4年前にドイツ・ブンデスリーガのマインツからレスターへと加入し、プレミアリーグ挑戦1年目にして“奇跡のリーグ制覇”を成し遂げた岡崎。2015-16シーズン終盤のニューカッスル戦での圧巻バイシクルゴールや泥臭いダイビングヘッドなど、レスターにおける岡崎のハイライトシーンを語ればキリがないが、今年2月よりチームの指揮を任されるロジャース監督もまた岡崎の価値を十分に理解している人物の1人だ。

 地元紙「Leicester Mercury」によれば、リヴァプールやセルティックといった英国の名門を渡り歩いてきた同監督は岡崎に関して、「シンジはいつも自分がやるべきことに専念しており、私が必要とした時にいつも準備が整っていた。本来、ストライカーはゴールをいくつ決めたかで評価されるものだが、レスターでのシンジは最前線と中盤を繋いでくれる架け橋のような存在だ」「私はこれから先もシンジがこのクラブに残した貢献を絶対に忘れない。彼の人間性はとにかく素晴らしいもので、自分のチームに残しておきたい選手さ。私のキャリアの中でも最高級のプレーヤーの1人だよ」と褒めちぎり、別れを惜しんだ。

「日本の清水エスパルスやドイツのマインツでプレーしていた頃は“純粋な点取り屋”として多くのゴール数を記録していた岡崎ですが、レスターへの加入と共にその役割はゴールを決めることから、最前線からの守備をすることにシフトチェンジしてしまいました。これはひとえに岡崎のスタミナや献身性、ファイティングスピリッツを買われてのことですが、岡崎自身はどこか違和感があったのか、レスターでの2年目以降にはそうした役割からの脱却を図っているようなフシもありました。ロジャース監督は岡崎の新天地候補に関して、『イタリアやスペインのように、イングランドに比べてスローテンポなゲーム運びをする場所でやりたがっているようだ』と話しており、もしかすると本人もプレミアリーグの独特なリズムが自身を走り屋の“守備的FW”に変えてしまったと考えているのかもしれません」(スポーツライター)

 周囲から要求される守備の役割に長年耐えしのいできた岡崎だが、今や33歳とキャリアも終盤に差し掛かっている。次なる天地では“従順な番犬”ではなく、“エゴイスティックな点取り屋”としての岡崎を是非とも見せてもらいたいところだ。

(木村慎吾)

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