BPO（放送倫理・番組向上機構）の青少年委員会は、「痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティー」が審議対象となったことを8月24日に発表。テレビ関係者の間で大きな波紋を呼んでいる。
同委員会によると、視聴者やBPOの中高生モニターから「不快に思う」「いじめを助長する」などの意見が寄せられてきていることなどを理由に挙げているが、「毎年大晦日に放送されるあの番組がターゲットにされているとの噂もある」とは番組制作会社の幹部。
「ダウンタウンの『笑ってはいけない』シリーズです。今や紅白歌合戦と並ぶ国民的番組で誰もが知っています。笑ったら臀部を叩かれるという内容に加え、もはやお約束になっている月亭方正に対する蝶野正洋のビンタなど今回の審議入りのニュースを聞いて、この番組が真っ先に浮かんだ人は多いはず」（同）
あくまで現時点では「痛みを伴う笑い」というテーマについての審議で、BPOも「個別の番組を対象とするものではない」としている。しかし、審議入りしている時点で青少年にとって悪影響だと判断される可能性が高い。仮に今後、『笑ってはいけない』シリーズが正式にBPOの審議対象となれば、番組内容の大幅な変更は避けられないだろう。
「それで済めばいいですが、松本（人志）さんが素直に受け入れるとは思えません。昨年は結局お蔵入りしましたが、アンジャッシュ渡部の出演情報が事前に漏れて非難されましたし、また出演者の高齢化に伴う体力的な問題もあり、番組に対するモチベーションも以前ほど高くないと言われています。そのため、BPOから名指しされた時点で、番組が終了すると思っている業界人は多いですよ」（同）
すでにバラエティ番組の現場は、規制だらけで制作サイドも委縮。BPOによる審議の必要性も理解できるが、年末の名物番組まで消えるようなことがあれば、視聴者のテレビ離れはさらに加速するかもしれない。
