オーディオにカメラや携帯と、買い換えるたびに増えていくのがケーブル。付属品なのだが、USBやら端子は増えたのはわかるが、ケーブルをつなげなくても製品は使える。家に余っているコイツを高く売りさばけないかと、ヤフオクで相場をチェックしてみた。
すると、5000円から始まったオークションがあっという間に、落札価格37万2000円まで跳ね上がった代物があった。ヨルマデザインのXLRバランスケーブルって、なんだ?
「ピュアオーディオマニアというのがいるんです」
と、解説を始めた音楽業界関係者。聞き慣れない言葉だけに、続きを聞こう。
「彼らが聴くのはクラシック音楽。ポップスと違って、音域や音量の高低差が激しいので、通常のオーディオでは生音のようには再現してくれません。〝純粋な音〟を求める彼らはとにかく金に糸目をつけずに、オーディオ製品を買うんです」
そんなバカなと思ってググッてみると、なんの変哲もないオーディオラックが62万円。どこにでもあるスピーカーケーブルが3メートルで300万円‥‥。
「そのケーブルは端子や銅線に金、銀、プラチナ、しかも100%に近い高純度の貴金属を使っているから高いんです。付属品のケーブルには、まずない代物ですね。でも、そういう高価なケーブルを使っても、普通の耳ではわからない程度の音の違いしかない。オカルトみたいなものですね」
我が家のケーブルは二束三文ということらしい。