オードリーといえば、押しも押されもせぬ人気タレント。「M-1グランプリ2008」の準優勝以降およそ13年間も売れ続けている。当初は破天荒な春日俊彰に対して、地味な若林正恭が“じゃないほう芸人”にカテゴライズされていたが、今は逆転。司会者やCMタレントとしても確固たるポジションを獲得した。
若林には、その腹黒さを精密な計算によるプロデュースで開花させてくれたブレーンがいる。同じ事務所ケイダッシュステージに所属するお笑いコンビ・どきどきキャンプの佐藤満春だ。
相方の岸学は米ドラマ「24 -TWENTY FOUR-」のジャック・バウアーの日本語吹き替え版のものまねで、ひと足先に売れた。「サトミツ」こと佐藤は、構成作家として加わるラジオ「オードリーのオールナイトニッポン」(ニッポン放送)が「ビデオリサーチ首都圏ラジオ聴取率調査」で独走記録を更新するにつれ、時間をかけてその名を広めた。
オードリーの屋台骨にして、最高で最良の理解者である佐藤。現在のバラエティ界の”裏回し”をしているといっても言い過ぎではない。
「『オールナイトニッポン』だけではなく、ラジオではナイツの昼の帯番組『ザ・ラジオショー』火曜日にも作家で参加。日本テレビの朝の情報帯番組『スッキリ』、昼の『ヒルナンデス』にも作家で入っているので、その才能がいかに高く評価されているかがわかります」(週刊誌記者)
今年はさらに飛躍。4月期には、日向坂46の齊藤京子とヒコロヒーが異色のタッグを組んだ深夜バラエティ「キョコロヒー」(テレビ朝日系)がスタート。作家として番組制作に携わる。7月期には、TBS系連続ドラマ「#家族募集します」が9日にスタート。脚本を担当するマギーをサポートしている。
さらにもうひとつの顔は、トイレ博士。日本トイレ協会会員、グッドトイレ選奨2年連続受賞、トイレクリーンマイスター、名誉トイレ診断士など多くの肩書を有しており、梅雨の時期は掃除能力検定士の資格を生かした仕事が急増。素ごもり需要の高まりも追い風となった。昨年8月20日には「トイレの輪 ~トイレの話、聞かせてください~」(集英社)を出版した。
「トイレに“めざめた”のは新人芸人時代。お笑いライブに出ていたころ、大勢の芸人が集う大部屋の楽屋が不得意で、トイレに逃げたのです。そこで個室やトイレのシステムに興味を抱き、今の地位まで上りつめました」(前出・週刊誌記者)
若林とは人が苦手という共通項がある。それがオードリーと15年以上も近い距離で接していられる要素だ。サトミツがいる限り、若林の芸人人生は安泰といえよう。
(北村ともこ)