2011年10月3日に放送が開始された「乃木坂って、どこ?」(通称・乃木どこ)(テレビ東京系)から始まり、6年前に「乃木坂工事中」(通称・乃木中)にリニューアルし、現在も放送されている乃木坂46の冠番組。「乃木どこ」時代から数えると今年で放送開始10年となるが、この間ずっと番組MCを務めてきたのがお笑い芸人バナナマンの2人。常に乃木坂46のメンバーを見守り続けていることから“公式お兄ちゃん”に認定されている。
ファンの間でもバナナマン人気は高く、バナナマンの握手会には乃木坂46ファンも来ることが知られている。
「乃木坂メンバーとの絆を特に深めていたのが、選抜発表でしょう。最近は運営委員長の今野義雄氏がスタジオの外でメンバーのみに発表する『今野式』になっていますが、かつては『乃木どこ』番組内で発表され、メンバーとバナナマンがコメントする形式でした。選抜やセンターに選ばれてもプレッシャーやショックで泣いてしまうメンバーもいたのですが、そのときにバナナマンがかける言葉には、寄り添い、励まし、時には暗い雰囲気を持ち前の冗談やボケで明るい空気に変えるなど、メンバー愛が伝わってきました。特に印象深かったのは、週刊誌報道後の松村沙友理が選抜発表で名前を呼ばれ、『私がいてもいいのか』と泣く松村に対して、設楽統が『またバカな松村が戻ってきてほしい』と言ったシーンです。その温かい言葉に松村自身も心を打たれたようで、卒業する際には『私の人生を幸せなものにしてくれてありがとうございました』とバナナマンに感謝の気持ちを述べていました」(アイドル誌ライター)
坂道シリーズの冠番組にはどの番組も芸人がMCを務めている。櫻坂46の「そこ曲がったら、櫻坂?」(テレビ東京系)では土田晃之とハライチ・澤部佑が、日向坂46の「日向坂で会いましょう」(テレビ東京系)のMCはオードリーである。
「他のグループの冠番組MCと比べ、バナナマンは圧倒的に“お兄ちゃん感”が強いように見えます。オードリー若林はメンバーの小坂菜緒を贔屓して笑いを取ったり、土田と澤部はいかにもMCといったドライな感じを見せている中で、バナナマンはメンバーの一員であるかのように乃木坂46の曲や、その曲を出した当時のエピソードを覚えている。常に色々なメンバーにスポットライトが当たるように番組を回しています。例えば1期生・和田まあやは選抜経験がほとんどないメンバーでしたが、バナナマンが馬鹿キャラとしてスポットライトを浴びさせたことで、和田はバラエティ担当として重宝がられ、番組内での存在感が大きくなりました。バナナマンの巧みな番組回しが選抜メンバー、アンダーメンバーどちらの力も引き出しています」(前出・アイドル誌ライター)
直近では、大園桃子と高山一実の卒業が予定されている。主要メンバーが卒業するたびに「乃木中」内でバナナマンと卒業メンバーの三者による鼎談が行われる。2人の卒業メンバーが“お兄ちゃん”にどのような胸の内を語るのか注目したい。