野球関係者もショック? 24年パリ五輪で“ゲーム”が公式種目へ

 世界の野球ファンの敵は「空想の世界」にいるようだ。

 東京五輪・パラリンピックのチケット販売の抽選申し込みが始まり、「野球競技の売れ行きが良い」という。地方球場での開催、チケットの高額設定などの不安要素もあったが、野球・ソフトボールを追加種目に加えた目的はここにある。日本人は、やはり野球が好きなのだ。
 
「野球をオリンピック競技に復活させるため、プロ野球、アマチュア野球の各団体が一丸となってPR活動を行ってきました。目標は2つ。東京五輪の追加種目に選ばれること、そして、正式な五輪競技に復活させることです。東京大会の次のパリ五輪はともかく、次々のアメリカ・ロス大会で再復活を目指すしかありません」(スポーツ紙記者)

 野球競技を次回のパリ五輪に継続できない理由は、世界的に見て、競技者人口と観戦者人口が増えていないからだ。そんな悲観的な実情に追い打ちを掛けるような情報も飛び込んできた。パリ五輪は「eスポーツ」を正式種目として新たに採用する方向で、すでに動き始めているのだ。

「eスポーツ」とは、エレクトロニック・スポーツの略称で、手っ取り早く言えば、テレビゲームのこと。日本はゲーム大国だが、欧米ではオンライン対戦ゲームがさらに普及していて、世界大会が何度も開催されている。しかも、優勝賞金1,120万ドル(約13億円)なんて大会もあり、プロとして活動しているゲーマーもいる。

「eスポーツは世界規模でネット観戦されており、一昨年時点で3億3500万人がカウントされました。競技者人口は1億人を超え、市場規模としては6億5500万ドル(約740億円)以上です」(国内ゲームソフト会社プログラマー)

 野球以上にカネが動く競技と言っていい。

 種目別スポーツ競技者人口における正式な調査数値はないが、大手スポーツメーカーがまとめた数値だと、1位はバスケットボールで4億5000万人、これにサッカー、クリケット、テニス、ゴルフが続き、野球は3000万人ほどとあった。世界には野球の3倍強のゲーマーがいるのか…。

「ゲームをやるヤツは、家に引きこもっているイメージもありますが、実際は違います」(同前)

 昨年のアジア大会でもeスポーツがデモンストレーション競技として行われ、なんと金メダルを獲得したのは、日本チーム。次回・2022年アジア大会から正式種目に加わることも決定しており、このまま行けば「eスポーツ覇者の日本が、どうして東京五輪でこの競技を外したのか?」と、世界的な批判まで浴びせられそうだ。
 
「ガンバレ、野球!」そう叫びたくなるのは、本サイトだけではないだろう。

(スポーツライター・飯山満)

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