目ざとい読者なら「中古リモコン買います!」という業者の宣伝文句を目にしたことがあるだろう。
テレビにブルーレイ、エアコンと照明‥‥。今時の家電製品には、ほとんどリモコンが付いている。というか、リモコンなしでは動かない家電すらある。本体がまだまだ使えるのにリモコンだけ壊れたという場合、中古を買い求める人がいると思っていたのだが…。
さっそくヤフオクをのぞいてみると、出品されているのは「学習リモコン」ばかり。これは操作信号を学習して、あらゆる家電に対応する代物。複数のリモコンを一つに集約するもので、リモコンだけが壊れた人が買い求めているわけではなさそうだ。なのに、なぜ多数の業者が競うように中古リモコンを買いあさっているのか。都内リサイクルショップの店長が答える。
「リモコンからレアメタルのタンタルが取れるんです。多くの買取業者は中古リモコンを消費者に売るのではなく、鉄屑屋に売り渡す。タンタルは1キロあたり1万4000円前後で取引されますから、リモコンを100個も集めれば業者は儲けが出ます」
多くの業者が無料査定をうたい、「不要なリモコンを着払いで送ってください」と言うのもうなずける話だ。リモコン1台の買取価格の相場は50〜100円だという。学習リモコンを中古で安く買って、家中のリモコンを一つに集約したら、すぐにでも業者に売り飛ばすべきかもしれない。