人気ドラマの設定をなぞる「電撃発表」には驚かされた。しかし、現実のストーリーにはまだまだ続きがあるようだ。刻々と変化する「ガッキーロス」の直撃を受けて、莫大なマネーが右往左往している─。
5月19日夕方、ガッキーこと新垣結衣(32)と星野源(40)が結婚という速報が流れるや、日本中が沸き立った。有名人の結婚事情に詳しい、ライターの尾谷幸憲氏が話す。
「まさにドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)のリアル展開ですからね。すぐにネット上は祝福コメントで溢れましたが、一方で『今日の仕事、終わり』といったような〝ガッキーロス〟も続出した」
衝撃を受けたのは、何もファンばかりではないようだ。個人投資家にまで影響は及ぶと、尾谷氏が続ける。
「日本では『有名芸能人の結婚発表があると、株価が暴落する』という事例が多いのです」
いわゆる「アノマリー(理論で説明できないが、そうなることが多い経験則)」と呼ばれるもので、代表例が15年8月の「堀北真希ショック」。俳優の山本耕史との電撃婚が発表されるや、週明けの日経平均株価の終値が895円安の大暴落となったのである。
「この年の9月には福山雅治と吹石一恵の結婚発表で、日経平均が715円安となり、16年の『北川景子ショック』(714円安)、『優香ショック』(479円安)と続きます。もっと遡れば11年の『小倉優子ショック』では1010円安なんてことも起きていた」(尾谷氏)
新垣の場合、注目の5月20日の日経平均株価の終値こそ、前日比で53円80銭高となったものの、予想通りか、意外なところで金融暴落が起きていたのだ。
「5月19日、幅広い仮想通貨相場が急落。最大手のビットコインは19日に11%下落して4万ドルを割り込み、今年4月に記録した最高値からは約2万5000ドルの値下がり。イーサリアムも25%安の2500ドル前後です。下落の要因は複数挙げられていますが、国内では『ガッキースゲーw』『こっちかよ〜。予想できなかったわ』なんて声も出ています」(尾谷氏)
仮想通貨の大暴落により、1週間で約65兆5000億円が吹き飛んだとの報道も出ている。
ガッキーロスの影響はさまざまな方面に表れそうだが、最も大きな経済損失をこうむるのは、もちろん所属事務所であり、テレビ業界だ。芸能評論家の竹下光氏が解説する。
「看板女優で稼ぎ頭の新垣の結婚は正直、喜ばしいことではない。巨額の損失となります。今年4月には22年放送のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』への大河初出演が発表されたばかりで、まだまだ独身で仕事をバリバリやると目されていただけになおさらです」
同時に新垣は、結婚を機に所属事務所との専属契約を終了し、個人で活動していくことを発表しているのだ。