日本のアトランティス?「与那国島海底都市」ブーム再燃のワケとは

 沖縄の那覇空港から飛行機で約1時間30分、日本の最西端に位置するのが与那国島だ。かつては人気ドラマ『Dr.コトー診療所』(フジテレビ系)のロケ地として注目され、観光客が詰めかけたが、実はこの島南部の海域水底には「与那国島海底地形」というピラミッドにも似た構造物があり、発見から30年を経た現在もなお、その正体を巡り地質学者たちの間では議論が続いているといわれる。

 そんな「与那国島海底地形」にスポットを当て、英BBCが「日本のミステリアスな海底『都市』」と題し、特集を組んで放送したのは今年3月のことだ。

「番組では未解決の水面下のミステリーとして紹介されたんですが、その神秘的で謎に満ちた形状は、まさに日本のアトランティス、と大反響を呼んだようです」(沖縄のテレビ関係者)

 この海底地形は1986年に、地元のダイバーによって発見されたもので、その後もダイバーらによる調査が続けられ、1995年1月1日に琉球新報ほか、地元紙に大きく取り上げられたことで、広く注目を集めるようになった。

「一帯は水深25メールほどであり、水底からそそり立つその物体は、最も長い東西方向で約100メートル、南北は約50メートルほど。頂上部は広場のような平らなスペースになっていて、その下に複数の長方形の区画が連なり、区切られたエリアは階段状の構造で結ばれているんですが、その光景はまさに古代文明にみられる階段ピラミッドと類似しています。ただ、この地域の地質はもともと侵食されやすく、垂直や水平の階段状の部分は、マグマの冷却時に亀裂に沿って岩が侵食されたという、自然地形説が根強い。そのため、中立的立場を取るために、発見から30年を経過した現在も、『海底遺跡』ではなく、『海底地形』という名称が使用されているようです」(同テレビ関係者)

 ただ、与那国島ではこのエリアを「遺跡ポイント」と呼び、神秘的なダイビング・スポットとして全世界にPR。これまでも、島の貴重な観光資源になってきたが、今回のBBCの特集で「海底遺跡」ブームが再燃するかもしれない。

 いまだ謎のベールに包まれる海底地形だが、古代遺跡説と自然地形説、どちらにしても現地では保護されるべき対象、という動きがはじまっているようなので、将来的にはダイビング禁止区域になる可能性は大。コロナ禍以前は、神秘的な姿を一目見ようと海外から訪れるダイバーたちで賑わっていたという与那国島に再び、熱い視線が送られている。

(灯倫太郎)

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